ファッション流通コンサルタント ディマンドワークス代表

世界アパレル専門店売上ランキング2013 トップ10発表

2014年06月19日 09:15 JST
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 Inditexグループの2013年アニュアルレポートはまだリリースされておりませんが・・・

 世界の大手アパレル専門店各社の数字が出そろい、2013年度決算をレビューする機会がありましたので、

 毎年恒例になりました売上高のTOP10を共有させていただきます。

 円建て比較にあたり、為替レートは、すべて2014年1月31日時点のレート、ユーロ=¥139.4、スウェーデンSEK=¥15.8、US$=¥102.8、英ポンド¥169.7にて換算しています。

 C&Aのみ2013年決算が入手できませんでしたので2012年度の売上を表示しています。

                売上高      前年対比   期末店舗数    基幹業態とシェア
1位- Inditex         2兆3,313億円     +5%      6,340      ZARA 64.6%
  (西インディテックス;14.01期)

2位-H&M           2兆0,312億円   +6%    3,132    H&M 95 %以上
  (瑞エッチアンドエム;13.11期)  
  
3位-Gap           1兆6,600億円     +3%   3,539    Gap 39.3 %
  (米ギャップ;14.01期)                            Old Navy 38.7 %

4位-Fast Retailing      1兆1,430億円    +23%   2,449   Uniqlo  81.7 %
  (日ファーストリテイリング;13.08期)

5位- L Brands        1兆1,074億円     +3%    2,923      Victoria's Secret
  (米エルブランズ=リミテッド;13.01期)                            62.0% 

6位-C&A Europe       9,479億円       +3%     1,575      C&A 100%
  (蘭シーアンドエー;12.2年度)
         
7位-Primark         7,251億円      +22%     257      Primark 100%
  (英プライマーク;13.09期)    

8位-Next           6,346億円       -2%    541      NEXT95%
  (英ネクスト;14.01期)

9位-しまむら         5,018億円       +2%    1,860      しまむら 81%
  (日しまむら;14.2期)
              
10位-Arcadia group      4,641億円       +2%     2,500超     TOPSHOP/TOPMAN25%
(英アルカディアグループ13.8期)                    
                                                       
                                 
 備考: アメリカのオフプライスストアー(アパレルや小売チェーンが換金目的で放出したブランドを扱う)のTJX、Rossは、2次流通とみなし、除外しました。

 傾向:

○毎年2桁成長(10%以上)を続けていた世界のツートップ、ZARAのInditex とH&Mが1ケタ増に成長鈍化。厳しい1年だったようです。これは集中出店している新興国の成長伸び悩みが原因のようです。

 特にInditexは営業減益となりました。これは中国、ブラジル、日本、ロシアを筆頭に前年よりも7%も売場面積を増やしたにもかかわらず2%しか売上を伸ばせなかったZARAの伸び悩みに要因があるようです。

〇いよいよユニクロのファストリが年商1兆円を超えLブランズを抜き世界4位に浮上。23%の増収はトップ10内最高です。

 しかしながら、国内ユニクロ事業の収益の低下、海外ユニクロ事業とグローバル事業の収益力はまだ道半ばで海外事業やGUの売上構成比の高まりとともに、全体の営業利益率は低下を続ける過渡期にあります。 

○ アメリカの景気回復を受けて米国勢GAP、Lブランズの収益性は回復しています。

○ Primark(プライマーク)が大幅増収増益でイギリスでネクストを抜いて 7位に浮上。勢いが止まりません。

 フランスへ進出、近々アメリカへも進出する計画があります。

 みなさんはこれらのランキングを見て何をお感じになりましたでしょうか?

 さて、2014年以降の見どころは・・・

 1. ZARAのインディテックスとH&M が再び2ケタ成長を回復できるか?

    直近3-6か月の業績はそれぞれ回復基調にあるようです。
    日本でも ここのところ価格を下げてシェアを取りに来ているように感じられます。

 2. 国内ユニクロ事業頼みのファーストリテイリングが海外事業の収益力をどこまで上げることができるか?

    国内ユニクロ事業も既存店増収優先から利益確保に舵を切り替えてますね。

 3. ファッションハードディスカウンター プライマークの勢いがどこまで続くのか?

    個人的には日本に来るのは勘弁して欲しいと思いますが・・・
    今後、日本が成長のための外国人労働者受け入れなどを進めると、
    日本にもプライマークのようなお店も必要になるかも知れません。