原巨人、連勝7で止まるも交流戦V王手!9回最長4時間48分で196球投げさせた
◆交流戦 巨人5―6オリックス(18日・東京ドーム)
巨人は交流戦9回試合最長となる4時間48分の死闘の末、オリックスに競り負けた。同点の7回2死満塁、久保がペーニャに痛恨の押し出し死球を与え連勝が7でストップした。打線はエース・金子に9安打を浴びせ、6回途中でKO。坂本が3回、24試合ぶりとなる4号ソロを放つなど2試合連続猛打賞だった。21日のソフトバンク戦(東京D)に勝てば、2年ぶり2度目の交流戦Vが決まる。
まるで、短期決戦かのように、原監督は動いた。結果的に接戦を落としたが、交流戦前にはなかった粘り強さが前面に出ていた。「最後まで集中力を切らさずに戦ったと思う」。チームに確かな手応えを感じる、紛れもない本音だった。
相手は、5月31日の同カード(京セラD)で9回を無安打に抑え込まれた金子だった。打者一人一人が、難しい球をファウルで粘り、失投を待った。3回までに72球を投げさせて体力的に追い込み、6回途中でベンチに退けた。登板した全5投手に対しても、合計196球も投げさせるなど、簡単には負けない、意地が打線全体に出ていた。
17日のオリックス戦前、原監督は「ここからの4試合(オリックス、ソフトバンク戦)はおもしろいと思うよ」と不敵な笑みを浮かべていた。最低2つ勝つことを計算に入れ、短期決戦の戦い方に切り替えていた。1点ビハインドの3回2死二、三塁のピンチでは、マウンドの大竹へと走り、「10の力を全部出してくれ」とゲキ。試合の序盤に出向いて直接ゲキを与えるのは珍しく、「このゲームを左右する場面だった。短期決戦? そのつもりでいったよ」と振り返った。
短期決戦では、一つのミスが命取りになる―。同点の6回無死一、二塁では、2番手の今村が坂口の投前へのバントを三塁へ悪送球し、1点を失った。7回から登板した久保は、2死二塁から四球、死球、死球で決勝の6点目を献上。今村に対して「バント処理のミスは、まだまだ練習不足だろうね」と指摘した。その中でも攻撃ではランエンドヒットや盗塁で目の前の1点を奪いにいった。3度のビハインドを追いつくなど、勝負への貪欲さが、ナインにも浸透していた証拠だ。
連勝は7で止まった。それでも、21日のソフトバンク戦に勝てば、2年ぶりの交流戦Vが決まる。王手としたが、指揮官は「まだ時間はあるからね。そこまで頭はいってないな」とかわした。負けても上積みを見せた一戦だったから、表情に自信がみなぎっていた。(水井 基博)
◆巨人の交流戦優勝の条件 巨人がオリックスに敗れたため、19、20日に可能性があった交流戦Vは最短で21日のソフトバンク戦(東京D)に持ち越された。オリックスが21、22日のヤクルト戦(神宮)に連勝すれば16勝8敗。巨人がソフトバンクに1勝1敗の場合、両軍とも16勝8敗で勝率が並ぶ。その場合の交流戦の最終順位決定方法は〈1〉勝数〈2〉直接対戦成績の順。3勝1敗の巨人に〈2〉が適用され優勝となる。