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児童ポルノの所持禁止 改正法成立
6月18日 17時40分

児童ポルノの所持禁止 改正法成立
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子どものわいせつな写真や画像など、いわゆる児童ポルノの所持を新たに禁じたうえで、みずからの性的好奇心を満たす目的で所持した場合は罰則を科すなどとした改正児童ポルノ禁止法が、18日の参議院本会議で賛成多数で可決され成立しました。

児童ポルノ禁止法はこれまで、18歳未満の子どものわいせつな写真や画像など、いわゆる児童ポルノを第三者に販売した場合などが処罰の対象で、個人が所持しているだけでは処罰の対象になっていませんでした。
このため、改正児童ポルノ禁止法では、児童ポルノの所持を新たに禁じたうえで、みずからの性的好奇心を満たす目的で所持した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科すとしています。
一方、すでに児童ポルノを所持している人もいることから、処分するための猶予期間として、法律の施行から1年間は罰則を適用しないとしています。
また、漫画やアニメ、CGについては、「表現の自由が脅かされる」といった懸念を踏まえて、規制の対象外としています。
改正児童ポルノ禁止法は、18日の参議院本会議で賛成多数で可決され、成立しました。
児童ポルノ禁止法の改正は、平成16年以来、10年ぶりです。

国会図書館「廃棄処分は行わない」

一方、今回の法改正で児童ポルノの「所持」が新たに禁止されることについて、規制の対象となるものも含め、国内で出版されたすべての出版物を収蔵している国立国会図書館は「民間の出版物の収蔵は文化財の蓄積と利用という目的で法律で定められているため、今回の法改正で示された『みだりに児童ポルノの所持、保管をしてはならない』という規定の対象ではない」として、児童ポルノに当たる出版物の廃棄処分は行わないという見解を示しました。

日本書籍出版協会などが抗議声明

改正児童ポルノ禁止法が18日の参議院本会議で賛成多数で可決され、成立したことを受けて、出版社で作る日本書籍出版協会と、日本雑誌協会は、共同で、抗議声明を発表しました。
声明では、「『児童ポルノ』の定義が依然あいまいなまま、『単純所持』が禁止されたことは、児童保護という本来の目的から大きく逸脱し、表現規制につながる危険性があり、到底容認できない」と、「児童ポルノ」ということばの不明確さや、表現への影響について指摘しています。
そして、「『児童ポルノを製造・所持・運搬』する行為も処罰の対象となっており、出版流通システムに多大な影響を及ぼす危険性さえある」としたうえで、「十分な審議が尽くされないまま、改正案が衆参両院で可決、成立したことに断固抗議する」としています。

日弁連が法改正批判する会長声明

児童ポルノの単純所持を罰する改正児童ポルノ禁止法が18日の参議院本会議で成立したことを受けて、日弁連は18日開かれた会見で、法改正を批判する会長声明を発表しました。
それによりますと、今回の法改正で示された「ことさらに児童の性器やその周辺部、でん部、胸部といった性的な部位が露出されたり強調されたりしたもので、性欲を興奮させ刺激するもの」という児童ポルノの定義について、「性的な部位にでん部や胸部が含まれ、範囲が広く、『強調する』という表現も漠然としていて不明確だ」などと指摘しています。
そのうえで、「あいまいな定義は運用によっては捜査権の乱用につながり国民の人権を侵害するおそれがある」などとして「問題が大きい」と批判しています。
18日の会見で「日弁連子どもの権利委員会」副委員長の川村百合弁護士は「改正された法律が子どもを性的搾取と性的虐待から守りつつ、捜査権の乱用も防止できるよう今後、関係機関に働きかけて運用上の指針となるガイドラインを早急に作成するよう求めたい」と述べました。

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