2014年6月19日(木)

責任逃れが上手い人は偉くならないか

上司の謎、部下の落とし穴

PRESIDENT 2012年12月17日号

著者
塚越 友子 つかこし・ともこ
心理カウンセラー

塚越 友子東京女子大学大学院社会学修士号取得。報道や広報の仕事を経て、銀座で人気ナンバーワンのホステスに。その後、心理カウンセラーとして独立し、東京中央カウンセリングを設立。

心理カウンセラー 塚越友子 構成=吉川明子
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責任逃れには2つのタイプがあります。一つは利己主義タイプ。自分さえよければいいと正当化して他人を蹴落とす人たちです。

もう一つは自己防衛タイプ。3パターンあり、自分に自信がなくて守りに入る人、「上司が無能だから」などと言い訳し、甘える人、そして「こんな責任は背負えない」と逃げてしまう人です。

組織の中に自分の責任を回避し、自己正当化して出世していく人がいると、周囲の人たちは疑心暗鬼に陥り、諦め感が強まります。「あんな人が出世するなんて、ちゃんとやっている私たちの立場は?」と、上司に対しても猜疑心が起きて組織を離れ、いずれは組織自体が崩壊してしまいます。

利己主義の人というのは、自分が責任を逃れて出世したり、利益を得るためにいいように人を利用します。詐欺師と同じで、いい人を演じて相手を信頼させ、最後に裏切るのです。

私が銀座でホステスをしていたとき、まさにそういうタイプの人がいました。「俺は一線を退くから、君に社長を任せたい」と、周囲の人に子会社の社長などを任せて自分は要職から退く。秘密裏に離婚して準備を進め、ある日突然高飛びしたんです。残された人たちは莫大な借金を背負わされ、酷いことになっていました。その社長はいい人そうに見えたのですが、利己主義の極致でしたね。

そうした利己主義タイプへの対処方法ですが、自分が被害を被らないように逃げ道をつくっておくしかありません。下手に関わると痛い目に遭いますから、「ヤバそうだな」と思ったら逃げましょう。

尻拭いが大変な自己防衛タイプ

次に自己防衛タイプの人たちですが、責任を負いたくないから逃げようとするので、周囲の人が尻拭いせざるをえません。

ただ、逃げようとする人を前にしたとき、組織には往々にして、自分に責任がないような場合でも自分のせいにしてしまいがちな人がいます。「個人化」といい、鬱病になりやすい、苦労症のタイプです。こういった人が尻拭いして事なきを得ますが、その人の精神的な負担はかなりのものです。

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