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『進撃の巨人』や『黒子のバスケ』も! あの中国でアニメの公式配信が拡大している要因とは?
はじめまして。百元籠羊と申します。ブログで中国オタク事情の紹介等をやっておりますが、この度、当媒体でアニメと中国をテーマにしたコラムを執筆させていただくことになりました。
第1回目のテーマは「中国で拡大中のアニメ公式配信について」です。
中国では様々な分野において急激な変化が起こりますが、オタク分野に関してもそれは変わらず、日本のオタク界隈に比べて随分と急な勢いで変化が起こることも珍しくありません。そんな中国オタク界隈における変化の中で、近年最も大きなものは「中国の動画サイトにおける日本のアニメ公式配信の拡大」でしょう。
日本のアニメの公式配信は2012年の後半、『ソードアート・オンライン』の配信がスタートして人気が爆発した頃から急速に拡大し、その後も『進撃の巨人』や『黒子のバスケ』等の人気作品が配信されていますし、現在も毎シーズンごとに中国の大手動画サイトによる新作アニメの権利獲得合戦が行われています。
日本のアニメの正規配信の動き自体は2011年末頃からあったのですが、当時は中国の動画サイト業界の再編等によりグダグダになってしまった面もあり、本格的に拡大、定着するようになったのは2012年後半頃からとなりました。
2012年は中国で大規模な反日暴動が起こったのが日本では有名かと思います。この暴動は中国のオタク界隈にも大きな被害を与え、その当時拡大しつつあった中国における日本関連のオタク系イベント開催の流れも大打撃を受けてしまいましたが、その陰では日本のアニメの公式配信が拡大していました。
その流れは更に続き、昨年は中国オタク界隈にとって「日本のアニメ公式配信拡大の年」となりましたし、今年になってからも日本のアニメの公式配信が活発に行われ、4月に中国で配信開始となった日本のアニメ作品は三十数作品に上っています。
これはアニメに限った話ではありませんが、中国の動画サイトにおける海外作品の公式配信は中国国外での放映からほぼ間をおかずに配信されています。中国ではテレビで日本のアニメを流すのが極めて難しくなっていますが、なぜネットで配信が可能なのかと言うと、ネット配信がグレーゾーンになっているというのが大きな理由となっています。
現在の中国における海外コンテンツの公式配信は動画サイトの運営許可証を取得した現地動画サイトの自主裁量に任されている部分で行われており、そこで公式配信されている海外コンテンツの多くはテレビ放映や映画上映等で必要となる輸入審査や検閲等の手続きをすっ飛ばして配信されています。
これが可能なのは現在の中国では政府機関の管轄範囲がネットとテレビでは異なる部分が多く、実質的に別モノ扱いとなっているからだとされています。そしてこういった不透明な背景の下ではありますが、中国の動画サイトにおける海外コンテンツの公式配信はいまだに拡大傾向にありますし、日本のアニメもその拡大を続けるジャンルの一つとなっています。
それから、アニメの正規配信は「対処が困難だった中国のネットにアップされている日本のアニメの違法動画を大幅に減らす」という効果も生み出しています。
ロジック的には可能ではあるものの手続きやコストの問題等から中国のネットに違法アップロードされたコンテンツに対して日本から効果的な対処を行うことは難しく、また現地動画サイトにとっても違法アップロードされたコンテンツを放置しておくことによるペナルティが特に無くアクセス数も稼げるということで野放しにされていました。
しかし最近では現地動画サイトが権利を取得した作品に関しては一定のコントロールが行われるようになってきています。現地動画サイトが権利を正規に取得した場合、他の動画サイトが動画を下げる、或いはライセンス取得サイトからの削除要請に応じるといった状況も見受けられます。
これについては中国の動画サイト業界の競争が激化し海外コンテンツの独占配信が競争手段として重要になってきたのに加えて、業界の淘汰が進んだことにより勢力図が変わり、生き残った大手動画サイト同士が小競り合いを避けお互いの面子をある程度尊重するようになり、権利取得作品に関する削除要請もスムーズに行われるようになったというのが大きな理由となっています。
▲愛奇芸(iqiyi) http://www.iqiyi.com/
「ラブライブ! 2nd Season」、「キャプテン・アース」、「金色のコルダ BlueSky」、「それでも世界は美しい」、「selector infected WIXOSS」、「ソウルイーターノット!」、「シドニアの騎士」、「ベイビーステップ」、「彼女がフラグをおられたら」、「ブレイクブレイド」を配信中
現在、中国の動画サイトにおける日本のアニメの公式配信は一定以上のクオリティの中国語字幕が付き、日本の放映とのタイムラグもほぼ無く、ある程度の高画質で見ることができるようになっています。それに加えて権利を取得した現地動画サイトが違法アップロードに対して動くということもあり、公式配信が違法アップロード系の動画を圧倒しつつあります。
ただ、この公式配信は中国特有のグレーゾーン上で行われているということもあり不安定な所も少なくありません。例えば今年になってからは中国政府による「掃黄打非」(ポルノ・違法出版物取り締まり)キャンペーンにより動画サイトに圧力がかかる等、雲行きが怪しくなっていますし、今後規制が強化され配信が難しくなる可能性も十分に考えられます。
しかし、このアニメの正規配信により日本のオタク系コンテンツがスムーズかつ大量に入るようになったのも確かですし、現地のオタクコミュニティもそれに伴った変化が起こっています。この公式配信の増加により中国のオタク界隈が今後どのように変化していくのか非常に興味深いものがありますね。
(文=百元籠羊)
第1回目のテーマは「中国で拡大中のアニメ公式配信について」です。
中国では様々な分野において急激な変化が起こりますが、オタク分野に関してもそれは変わらず、日本のオタク界隈に比べて随分と急な勢いで変化が起こることも珍しくありません。そんな中国オタク界隈における変化の中で、近年最も大きなものは「中国の動画サイトにおける日本のアニメ公式配信の拡大」でしょう。
日本のアニメの公式配信は2012年の後半、『ソードアート・オンライン』の配信がスタートして人気が爆発した頃から急速に拡大し、その後も『進撃の巨人』や『黒子のバスケ』等の人気作品が配信されていますし、現在も毎シーズンごとに中国の大手動画サイトによる新作アニメの権利獲得合戦が行われています。
日本のアニメの正規配信の動き自体は2011年末頃からあったのですが、当時は中国の動画サイト業界の再編等によりグダグダになってしまった面もあり、本格的に拡大、定着するようになったのは2012年後半頃からとなりました。
2012年は中国で大規模な反日暴動が起こったのが日本では有名かと思います。この暴動は中国のオタク界隈にも大きな被害を与え、その当時拡大しつつあった中国における日本関連のオタク系イベント開催の流れも大打撃を受けてしまいましたが、その陰では日本のアニメの公式配信が拡大していました。
その流れは更に続き、昨年は中国オタク界隈にとって「日本のアニメ公式配信拡大の年」となりましたし、今年になってからも日本のアニメの公式配信が活発に行われ、4月に中国で配信開始となった日本のアニメ作品は三十数作品に上っています。
これはアニメに限った話ではありませんが、中国の動画サイトにおける海外作品の公式配信は中国国外での放映からほぼ間をおかずに配信されています。中国ではテレビで日本のアニメを流すのが極めて難しくなっていますが、なぜネットで配信が可能なのかと言うと、ネット配信がグレーゾーンになっているというのが大きな理由となっています。
現在の中国における海外コンテンツの公式配信は動画サイトの運営許可証を取得した現地動画サイトの自主裁量に任されている部分で行われており、そこで公式配信されている海外コンテンツの多くはテレビ放映や映画上映等で必要となる輸入審査や検閲等の手続きをすっ飛ばして配信されています。
これが可能なのは現在の中国では政府機関の管轄範囲がネットとテレビでは異なる部分が多く、実質的に別モノ扱いとなっているからだとされています。そしてこういった不透明な背景の下ではありますが、中国の動画サイトにおける海外コンテンツの公式配信はいまだに拡大傾向にありますし、日本のアニメもその拡大を続けるジャンルの一つとなっています。
それから、アニメの正規配信は「対処が困難だった中国のネットにアップされている日本のアニメの違法動画を大幅に減らす」という効果も生み出しています。
ロジック的には可能ではあるものの手続きやコストの問題等から中国のネットに違法アップロードされたコンテンツに対して日本から効果的な対処を行うことは難しく、また現地動画サイトにとっても違法アップロードされたコンテンツを放置しておくことによるペナルティが特に無くアクセス数も稼げるということで野放しにされていました。
しかし最近では現地動画サイトが権利を取得した作品に関しては一定のコントロールが行われるようになってきています。現地動画サイトが権利を正規に取得した場合、他の動画サイトが動画を下げる、或いはライセンス取得サイトからの削除要請に応じるといった状況も見受けられます。
これについては中国の動画サイト業界の競争が激化し海外コンテンツの独占配信が競争手段として重要になってきたのに加えて、業界の淘汰が進んだことにより勢力図が変わり、生き残った大手動画サイト同士が小競り合いを避けお互いの面子をある程度尊重するようになり、権利取得作品に関する削除要請もスムーズに行われるようになったというのが大きな理由となっています。
▲愛奇芸(iqiyi) http://www.iqiyi.com/
「ラブライブ! 2nd Season」、「キャプテン・アース」、「金色のコルダ BlueSky」、「それでも世界は美しい」、「selector infected WIXOSS」、「ソウルイーターノット!」、「シドニアの騎士」、「ベイビーステップ」、「彼女がフラグをおられたら」、「ブレイクブレイド」を配信中
現在、中国の動画サイトにおける日本のアニメの公式配信は一定以上のクオリティの中国語字幕が付き、日本の放映とのタイムラグもほぼ無く、ある程度の高画質で見ることができるようになっています。それに加えて権利を取得した現地動画サイトが違法アップロードに対して動くということもあり、公式配信が違法アップロード系の動画を圧倒しつつあります。
ただ、この公式配信は中国特有のグレーゾーン上で行われているということもあり不安定な所も少なくありません。例えば今年になってからは中国政府による「掃黄打非」(ポルノ・違法出版物取り締まり)キャンペーンにより動画サイトに圧力がかかる等、雲行きが怪しくなっていますし、今後規制が強化され配信が難しくなる可能性も十分に考えられます。
しかし、このアニメの正規配信により日本のオタク系コンテンツがスムーズかつ大量に入るようになったのも確かですし、現地のオタクコミュニティもそれに伴った変化が起こっています。この公式配信の増加により中国のオタク界隈が今後どのように変化していくのか非常に興味深いものがありますね。
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