波形判定技術の重要性(自動車部品のバリ取り機に利用)

自動車の駆動系のバリ取り行程製品全数監視に利用 (実施企業1社)

自動車のミッション(変速機)ケーシング等の部品のバリ取りを、バリ取り機のバリ取り時の負荷電流を監視することにより、バリ取り不良をゼロにした。
バリ取りとは、紙を切ると切った面に細かい紙の切りカスが残るように、機械加工で削り落とした後に残る削りカスを、金属製のブラシでスリ落とす。この削りカスが、残ったまま組み付けられた自動車を走らせると、だんだん内部にたまっていき、自動車の故障原因となることもある。
実施手順
1.バリ取り機のモーターに電流センサーを取り付け、バリ取り開始信号を制御盤からリレー接点信号で入力し、1回の
  バリ取り時間(1サイクル時間)より長く測定して、波形をみてバリ取り開始信号からバリ取り終了時間までの確認を
  おこなう。
2.そのまま測定器を1週間程度仕掛けたままにする。
  例えば、1サイクルが120秒なら24時間連続稼働で途中ワーク切れなどを考慮すると、1日に400個から500個が
  測定され、その間バリ取りの金属ブラシは、決められたカウンター数に達すると、ブラシがすり減ったと予測された距
  離を進められ、バリ取りを続ける。
  指定回数進められるとブラシがすり減っているので、新しい金属ブラシに交換される。
3.測定器を取り外し、測定した2800から3500個バリ取りをした1サイクル毎の波形を重ね描きしてみて、「最大波形
  」と「平均波形」と「最小波形」を確認する。

  「最大値波形」と「平均値波形」はバリ取り加工負荷電流波形であるが、最小値波形がモーターが回る負荷だ
  けのバリ取り加工をしていない無加工負荷状態の直線であった。


  これは、バリ取りができていない部品があるということです。

4.測定保存した全波形の指定ポイントの経時変化波形をみると、確かにバリ取り加工がされていない加工部品
  (サイクル)がある。
このバリ取り加工機の問題点
1.バリ取り時に上から水をかけていて、肉眼ではバリ取りブラシが製品に当たっていなくても確認ができない。
2.カウンターに頼っているが、設定した回数が過去の経験で設定されていた。
3.バリ取り加工負荷電流波形をペンレコーダー等でみたりテスターで測定したことはあるが、今まで1回毎のバリ取り波
  形として連続して長期測定をしたことがない。
4.バリ取り加工機の後に製品のバリ状態を検査する検査装置、または検査工程がない。
対 策
1.波形判定機の下限波形に対して、バリ取りブラシが摩耗してバリ取りができない状態となり、バリ取り加工負荷電流
  波形が外れたら、波形判定機から外部にアラーム信号を送り、数ミリバリ取りブラシを前進させバリ取りをおこなわ
  せる。
2.前進しきった後に波形判定機から外部アラーム信号がでたらバリ取りブラシの交換をおこなう。
  カウンターや過去の経験に頼らず、負荷電流波形で「みえる」確認をおこなう。
  バリ取り加工不良ゼロ対策の完了です。
波形判定機は、従来の直線でなく曲線波形で監視し、上限波形だけでなく下限波形もち、それを複数設定すると注意、警報、危険とできます。

この実施は1社のみで他の自動車メーカーは実施していません。
(この1社は、波形技術に対して色々な取り組みをしています。)

さらに重要なパワー・ステアリングやABS(ブレーキ)系のバリ取りは大丈夫でしょうか?

走行中に残っていた金属バリのせいで、曲がらなくなったり、止まらなくなったりしたらどうなるでしょうか?

あなたの家族を乗せる自動車とメーカーに、心配はありませんか?