集団的自衛権:北岡座長代理、公明の主張をけん制
毎日新聞 2014年06月17日 21時42分
【ワシントン西田進一郎】安倍晋三首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の北岡伸一座長代理は16日、米ワシントンで講演し、集団的自衛権の行使容認を巡る与党協議で公明党がいくつかの事例について、個別的自衛権や警察権で対応できると主張していることに関し、「非常に危険な考えだ」とけん制した。
北岡氏は、北朝鮮が米領グアムや米ハワイに向けて撃った弾道ミサイルを自衛隊が迎撃する例を挙げ、「公明党などは警察権の拡大でできるとしているが、それは(迎撃を実際に行う)宇宙空間が我々の領土だと宣言するようなものだ」と指摘。「非常に危険な権利拡大で、もしそれを(日本が)やれば、いくつもの近隣諸国がそれに続くだろう」と語った。
日本上空を横切る弾道ミサイルの迎撃は、日本を狙ったものは武力攻撃の発生前でも警察権の行使として撃ち落とすことが可能。武力攻撃が始まっていれば個別的自衛権の行使として迎撃できる。
ただ、米国領土を狙ったもので、日本に被害が及ぶ恐れがない場合、迎撃は憲法が禁じる「武力行使」にあたり得る。このため、政府は法整備が必要な15事例の一つとして与党に提示している。