閣議決定原案:集団安保参加へ修正 自民検討、溝拡大

毎日新聞 2014年06月19日 08時00分(最終更新 06月19日 08時08分)

 政府・自民党は18日、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定原案について、自衛隊が国連の集団安全保障に参加して武力行使できるように修正する検討を始めた。安倍晋三首相が意欲を示すシーレーン(海上交通路)での戦時の機雷掃海を、集団的自衛権の行使だけでなく、集団安保としても可能にするのが狙い。しかし、従来の憲法解釈の大幅な変更につながるため、自民党が次回以降の与党協議会で提起した場合、公明党との合意が一層難しくなる可能性がある。

 国連の集団安全保障は、侵略行為をした国を加盟国が協力して制裁する仕組み。資産凍結など非軍事的制裁と、国連軍や多国籍軍による武力行使の2種類がある。現行の憲法解釈では、自衛隊は国連による武力行使には直接参加できない。首相は5月15日の記者会見で、集団安保への全面参加を「憲法が許しているとは考えない」と明言。現時点では、他国の武力行使と一体化しない範囲で、多国籍軍の後方支援を拡大する方針だ。政府が与党に示した閣議決定原案も、集団的自衛権の行使を容認する一方で、集団安保への全面参加は認めていない。

 しかし、集団的自衛権は国連憲章上、安全保障理事会が必要な措置をとるまでの過渡的な対応と位置付けられている。集団的自衛権の行使を容認して自衛隊が機雷掃海に参加しても、安保理決議で集団安保に移行した時点で、活動を続けられなくなる可能性が高い。

 湾岸戦争では戦時に自衛隊を派遣せず国際社会から批判された経緯があり、集団安保への全面参加を求める意見は外務省などに根強い。自民党幹部は「集団安保による機雷掃海ができなければ意味がない」と指摘。閣議決定原案について、日本が攻撃を受けていない段階での武力行使を「国際法上は集団的自衛権または集団安全保障が根拠になる」と修正する案が浮上している。

 これに対し、公明党の山口那津男代表は18日、BS11の番組で、戦時の機雷掃海について「そこまでやるべきか慎重に議論する必要がある」とけん制した。

最新写真特集