2014年06月07日
ヒトの生存に必要不可欠な元素として、これまで27種が知られていた。この度ヴァンダービルト大学のBilly
Hudson博士らによって、臭素(Br)が28番目の必須元素として特定された。この発見によって、透析や高カロリー輸液などの治療を受けている患者に臭素のサプリメントを加えることで、患者の健康増進に役立つようになるだろう。
Hudson博士によると、今回の発見に至る道のりは30年前から始まっていたという。腎臓疾患の研究をしていく中で、コラーゲン4が細胞の骨格となるためには、スルフィルイミン結合(S=N)が重要な働きをしていることが発見されていた。スルフィルイミン結合の形成にはペロキシダシンと呼ばれるタンパク質が機能するのだが、ペロキシダシンの過剰な活性がコラーゲン4の沈着を誘発し、結果的にグッドパスチャー症候群といった腎臓疾患の原因となっていることが分かっていた。
そしてこの度、イオン化した臭素が、ペロキシダシンがスルフィルイミン結合を形成するための補酵素として機能していることが分かった。そしてショウジョウバエを使った実験では、臭素が取り除かれた固体は死亡し、臭素を与えた固体は生き残ることが示された。そのため、臭素は組織の形成に必要不可欠な元素として結論付けられた。
Credit: Image courtesy of Vanderbilt University Medical Center
元記事:
Chemical element bromine is essential to life in humans and other animals, researchers discover
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/06/140605140007.htm
参照:
A. Scott McCall, Christopher F. Cummings, Gautam Bhave, Roberto Vanacore, Andrea Page-McCaw, Billy G. Hudson. Bromine Is an Essential Trace Element for Assembly of Collagen IV Scaffolds in Tissue Development and Architecture. Cell, 2014; 157 (6): 1380 DOI: 10.1016/j.cell.2014.05.009
Hudson博士によると、今回の発見に至る道のりは30年前から始まっていたという。腎臓疾患の研究をしていく中で、コラーゲン4が細胞の骨格となるためには、スルフィルイミン結合(S=N)が重要な働きをしていることが発見されていた。スルフィルイミン結合の形成にはペロキシダシンと呼ばれるタンパク質が機能するのだが、ペロキシダシンの過剰な活性がコラーゲン4の沈着を誘発し、結果的にグッドパスチャー症候群といった腎臓疾患の原因となっていることが分かっていた。
そしてこの度、イオン化した臭素が、ペロキシダシンがスルフィルイミン結合を形成するための補酵素として機能していることが分かった。そしてショウジョウバエを使った実験では、臭素が取り除かれた固体は死亡し、臭素を与えた固体は生き残ることが示された。そのため、臭素は組織の形成に必要不可欠な元素として結論付けられた。
元記事:
Chemical element bromine is essential to life in humans and other animals, researchers discover
http://
参照:
A. Scott McCall, Christopher F. Cummings, Gautam Bhave, Roberto Vanacore, Andrea Page-McCaw, Billy G. Hudson. Bromine Is an Essential Trace Element for Assembly of Collagen IV Scaffolds in Tissue Development and Architecture. Cell, 2014; 157 (6): 1380 DOI: 10.1016/j.cell.2014.05.009