FOMC声明:経済活動は持ち直す-緩和的な政策が適切
6月18日(ブルームバーグ):米連邦公開市場委員会(FOMC)が18日に発表した声明は以下の通り。
4月の前回会合以降に入手した情報から、経済活動はここ数カ月に持ち直してきたことが示唆された。雇用市場の指標は概して一層の改善を示した。失業率は低下してきているが、なお高い水準にある。家計支出は緩やかに増えつつあるように見受けられ、企業設備投資は再び増加し始めた。一方で住宅セクターの回復は緩慢なペースにとどまった。財政政策が経済成長を抑制しつつあるが、抑制の度合いは小さくなってきている。インフレは、委員会の中長期的な目標を下回る水準で推移しているが、中長期にわたるインフレ期待は引き続き安定している。
連邦準備法に定める責務に従い、委員会は最大限の雇用確保と物価安定の促進を目指す。委員会は、適切な政策緩和により経済活動が緩やかなペースで拡大するほか、労働市場の環境は緩やかな改善が続き、委員会が二大責務と一致すると判断する状況に向かうと見込んでいる。委員会は、景気と労働市場の見通しに対するリスクがほぼ均衡していると認識している。委員会は、インフレ率が長期にわたり目標の2%を下回れば経済にリスクとなり得ると認識しており、インフレ率が中期的に目標水準に向かって戻っていくという証拠を得るため、物価動向を注視している。
委員会は現在、より広範な経済は労働市場での継続した状況改善を支えるのに十分な底堅さを持ち合わせていると判断している。現行の資産購入プログラムを開始して以降の最大限の雇用に向けた一段の進展や労働市場環境の見通し改善を踏まえ、委員会は資産購入のペースを慎重ながらも一段と落とすことを決定した。7月より委員会は政府支援機関の住宅ローン担保証券の購入を毎月150億ドルと、従来の毎月200億ドルから減らし、期間が長めの米財務省証券については毎月200億ドルと、従来の毎月250億ドルから購入ペースを減速させる。また政府機関債と住宅ローン担保証券の償還元本を住宅ローン担保証券に再投資し、米財務省証券の償還資金を入札で再投資する現行方針を維持する。委員会による相当規模かつ依然増加が続く中長期証券の保有は、長期金利に下向きの圧力をかけ続け、住宅ローン市場を下支えし、より広範な金融環境を一層緩和的なものにする一助となるだろう。そしてそうした状況はより力強い経済の回復を後押しし、インフレ率が時間とともに確実に委員会の二大責務に最も一致する水準になるための助けとなるだろう。
委員会は今後数カ月間、経済・金融情勢に関する情報を注視し、物価安定の下で労働市場の見通しが大幅に改善するまで、米国債および政府支援機関の住宅ローン担保証券の購入を続けるほか、必要に応じて他の政策手段も導入する。今後入手する情報が、労働市場状況の改善継続とインフレ率の中長期的な目標値への回帰という委員会の予想をおおむね支持すれば、委員会は今後の会合において慎重ながらも一段と資産購入ペースを落とす可能性が高い。しかしながら、資産購入の道筋はあらかじめ決まったものではなく、購入ペースをめぐる委員会の判断は、今後も労働市場およびインフレに関する委員会の予測および購入によって見込まれる効果とコストの評価に左右される。
最大限の雇用確保と物価安定に向けた進展を継続させる一助として、委員会はきょう、極めて緩和的な金融政策スタンスが引き続き適切だとの見解を再確認した。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標に関して現在の0%から0.25%という水準を維持する期間の決定においては、委員会は最大限の雇用確保と2%のインフレ率に向けた進展を、現状と予測の両面から精査する。この精査では労働市場の状況を示す指標のほか、インフレ圧力やインフレ期待の指標、金融情勢に関するデータなどさまざまな情報を幅広く考慮する。こうした要素の精査に基づき、委員会は引き続き、特にインフレが引き続き委員会の中長期的な目標である2%を下回ると予測される場合、そして中長期のインフレ期待が引き続きしっかりと抑制される場合には、資産購入プログラムが終了した後も相当な期間、FF金利誘導目標を現在のレンジで据え置くことが適切であろうと想定している。
委員会が政策緩和の解除開始を決定する時には、最大限の雇用および2%のインフレという中長期的な目標と一致するバランスの取れたアプローチを取る。委員会は現在、雇用とインフレが責務と一致する水準に近づいた後でも、経済情勢がしばらくは、FF金利を委員会が中長期的に見て正常と捉える水準を下回る状態で維持することを正当化する可能性があると想定している。
このFOMCの金融政策に対し、イエレン議長、ダドリー副議長、ブレイナード理事、フィッシャーFRB副議長、フィッシャー総裁、コチャラコタ総裁、メスター総裁、プロッサー総裁、パウエル理事、タルーロ理事が賛成した。
原題:Federal Open Market Committee June 18 Statement: Full Text(抜粋)
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更新日時: 2014/06/19 04:15 JST