幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」が4月1日時点で全国で1359カ所となり、1年前より260カ所増えた。文部科学、厚生労働両省が7日に発表した。2006年に制度が始まって以降、1年間の増加数は最大。来年4月には新制度に移行し、事業者が収入を増やしやすくなるため、増加ペースはさらに加速しそうだ。

 都道府県別で最も多いのは兵庫県の118カ所。運営や施設整備の費用を独自に補助している。また、1年間で60カ所増えて99カ所になった茨城県は「新制度をにらんで事業者の関心が高まっている。説明会の要望も増えた」という。

 政府は、認定こども園を保育所不足を補う受け皿と位置づけ、定員割れが目立つ幼稚園に対し、移行を促してきた。ただ、実績は伸び悩み、「13年3月末までに2千カ所以上」という目標には届いていない。来年4月からは運営費の給付の仕組みが変わり、移行手続きも簡素化される予定。厚労省は「新制度の中身が固まれば、移行を検討する幼稚園や保育所事業者はさらに増えるだろう」とみる。(畑山敦子)