2014年6月18日23時32分
奈良県の民家にあった万葉歌人、柿本人麻呂ゆかりとされる茶道具を盗んだとして、県警は18日、徳島市北島田町2丁目、無職中川久美子(59)と同居の長男の無職真吾(39)の両容疑者を窃盗の疑いで逮捕し、発表した。茶道具は転売され、最終的に京都市の美術商が3千万円で購入、保管していたという。2人は容疑を否認している。
西和署によると、2人は2010年5月、奈良県斑鳩町の女性(72)宅で、木製の香合(こうごう、高さ約6センチ、直径約5センチ)を盗んだ疑いがある。古物商を名乗って女性を訪ね、着物や古道具を見せてほしいと依頼。女性が目を離した隙に香合を取ったと署はみている。
2人は愛媛県の美術商にこの香合を70万円で売却。美術商が同年6月、大阪市内のオークションに出品したところ、3千万円で落札された。この出品について別の美術商が今年2月、女性に知らせたという。
香合は幕末から明治初期にかけ、裏千家の十一代家元が塗師の八代中村宗哲に作らせたという。県警は、柿本人麻呂が植えた柿の木の枝で作ったとされる四つの香合「筆柿香合」の一つ、と説明している。
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朝日新聞社会部
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