(平成16年9月6日)
ジャーナリスト:
成田俊一
伊予鉄道森本社長に関する内部告発
その内部告発文書3枚が私の元に届いている。
1枚目のタイトルは、「伊予鉄を私物化する森本社長は退陣せよ!」
2枚目のタイトルは、「森本氏の横暴を許していて恥ずかしくないのですか?」
3枚目のタイトルは、「これでいいのか愛媛の経済界
愛媛を代表する企業─伊予鉄道株式会社
森本社長が愛人企業に便宜供与?」
愛媛県松山市に伊予鉄道はある。 上位株主には伊予銀行、愛媛銀行、広島銀行などが
ならぶ松山きっての有力企業。
社長の森本惇は同社のほかにも伊予鉄高島屋や伊予鉄不動産、伊予鉄会館などの社長
も兼任する伊予鉄グループの事実上のトップであり、合わせて愛媛政財界の顔役でも
ある。
この“実力者”森本社長の資質に関して、上記の告発文書が飛び交った。 8
月28日付け〈伊予鉄を愛する会一同〉で、告発書は「…愛媛政財界の皆さん!お願い
します。 これ以上森本社長を暴走させないで下さい。 伊予鉄の内部の者を代表してお
願い申し上げます。 …」と訴えている。
3枚の告発は、いずれも森本社長がKという地元の女性経営者との関係、それも下手
をしたら〈愛人関係〉だけではすまずに、森本社長の〈背任行為〉になりかねない行
為を指弾しているだけに、この告発は無視できない。 3枚の文書の存在に対して同社
総務課長は「私どもは、そういういかなることについてもコメント」しないと拒否し
ている。
〈背任行為疑惑〉とは何か。 Kとの愛人関係は、二人がホテル街で証拠写真を撮られ
ているので関係の有無を検証する必要はまったくないが、問題は〈背任〉の方である。
告発によると、伊予鉄が倉庫として保有する敷地約1408uと建物1377uを改装して愛
人Kが運営する「えひめTTC」という名の卓球クラブに対して、周辺賃料の6分の
1ほどの常識を越えた破格で入居させていること、しかも改装費の約1億円もの巨額
を伊予鉄が負担している上に、この卓球クラブの運営費までも、伊予鉄が供与してい
ると、明記している。
よくある話ではある。 企業のトップが色ぼけして愛人に貢ぎ、その果てにトップを追
われ背任事件になることなど、よくある話ではある。 しかしこれが事実ならば森本社
長は責任追及をまぬがれまい。
次ぎに、告発文書は「伊予鉄高島屋」の黒字回復の一件について、こんな解説をして
いる。
「森本氏は高島屋の赤字回復のリーダーみたいな顔をして地元マスコミにも登場しま
すが、それはまったく間違いです。 森本氏は、社長を兼任する伊予鉄グループ全体の
金の流れを変えただけであって何の独自の手法があったわけではない」としている。
要するに、伊予鉄不動産の地代を減額し操作した資金を高島屋の赤字補填しただけの、
見せかけだというのである。 これが事実ならば粉飾疑惑ではないか。
一連の内部告発文書は、それこそ伊予鉄内部から出回ったものだろう。 複数の株主は
森本社長の愛人Kに対する便宜行為を背任と位置づけ法的手続きに動き始めている。
Kの名前は実名で書かれている。
この事態、伊予鉄の企業スキャンダルに発展する可能性大である。
【敬称略】
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