東映(株)岡田茂名誉会長が5月9日午前5時55分肺炎のため入院先の都内病院で亡くなった。享年87歳。通夜は5月10日(火)午後6時から、葬儀・告別式は11日(水)午前11時から長男で東映(株)東映(株)代表取締役社長の岡田裕介氏が葬儀委員長をつとめ、東映(株)、岡田家合同葬として東京青山葬儀所で執り行われた。喪主は夫人の岡田彰子さん。
岡田茂氏は広島県生まれ。1947年、東京帝国大学(現・東京大学)経済学部卒業後東映の前身である東横映画に入社。1961年に東京撮影所長兼製作部長に就任、1971年亡くなった大川博氏の後を継いで代表取締役社長に、1993年代表取締役会長に、2002年相談役となり、2006年から名誉会長に就任、現在に至った。東映(株)社長時代には(株)東急レクリエーション代表取締役社長、同会長も兼任した。京都撮影所時代には「東映任侠映画」でらつ腕を発揮して日本映画を牽引した。業界の要職としては日本映画製作者連盟会長、映画産業団体連合会会長、日本アカデミー賞協会会長等を歴任、1984年には藍綬褒章、1995年には勳二等瑞宝章を受章している。
東映任侠路線の生みの親としと日本映画界をリードしてきたことから業界では「日本映画界のドン」と呼ばれ、日本映画界を代表する人物として各方面に影響を与え続けて来た。ちなみに、岡田茂氏の東映における初プロデュース作品は1950年公開の「日本戦歿学生の手記―きけ、わだつみの声」だった。
(全文は2011/05/11発行の「連合通信放送映画速報」に掲載)