中間貯蔵施設:石原環境相「最後は金目でしょ」

毎日新聞 2014年06月16日 21時01分(最終更新 06月17日 00時39分)

石原伸晃環境相
石原伸晃環境相

 東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設を巡り、難航している被災地との交渉について、石原伸晃環境相は16日、首相官邸で記者団に「最後は金目でしょ」と述べた。地元は、最終的に交付金や補償金などで解決できるとの発言と受け止め、反発を強めている。来年1月の搬入開始を目指す国と地元との交渉は一層難航しそうだ。

 石原環境相は、候補地の福島県大熊、双葉両町の住民らを対象にした説明会が15日に終わったことを受け、井上信治副環境相とともに菅義偉官房長官に今後の方針などを報告。面会後、記者団に「どのような話をしたのか」と問われると、「大した話じゃない。説明会が終わり、官房長官が非常に気にしておられたので(今後の)スケジュール感を説明した。最後は金目でしょ」と語った。

 石原環境相は16日夕、省内で緊急に記者会見し、「(補償額など)お金の話が多く出た。最後はお金の話になるが、今は示すことができないという話だ」「金で解決できるなんて一言も言ったことはない」と釈明した。

 首相官邸は、石原環境相の発言が福島復興に取り組む安倍政権への疑念を生みかねないとの懸念を強めている。政府高官は16日夜、「被災地に不快な思いをさせたなら謝った方がいい。誤解を与えたならきちんと説明した方がいい」と語った。

 施設計画を巡って、政府は5月31日〜6月15日に両町の住民や地権者を対象に説明会を開いた。しかし、具体的な土地の補償額などは示されていない。【渡辺諒】

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