集団的自衛権行使容認に反対する集会6月17日 19時16分
東京・千代田区の日比谷野外音楽堂では17日夜、集団的自衛権の行使容認に反対する集会が開かれました。
午後6時半に始まった集会には、主催者の発表でおよそ5000人が参加しました。
この中で、翻訳家の池田香代子さんは「集団的自衛権を明確に否定してきた従来の憲法解釈を一気に変えるのは、この国の在り方をも変えてしまう、憲法解釈クーデターと言うべきものだ」と訴えました。
会場では参加者が、「9条壊すな」とか「戦争反対」と書かれたプラカードを手にするなどして、集団的自衛権の行使容認に反対する意志を示していました。
都内の29歳の主婦は、「さまざまなことばを重ねても、海外に出かけて行って戦争に参加するという集団的自衛権の本質に変わりはないと思う。同世代の人たちに、この問題を考えてみようと呼びかけたい」と話していました。
また40代の団体職員の女性は、「閣議決定で戦争ができる国に変えようとしていることに怒りを覚える。私たちは、子どもの世代やこれから生まれてくる世代に対する責任があり、最後まで声を上げ続けたい」と話していました。
集まった人たちは、このあと国会に向けデモ行進し、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定しないよう訴えました。
出版社解釈変更の動向注視
集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更の行方を、意外な人たちが静かに見守っています。
東京・千代田区の小学館。
この出版社を代表する辞書が「大辞泉」です。
この辞書のインターネット版「デジタル大辞泉」は27万語余りを収録し、年3回データを更新しています。
今、「自衛権」については、「個別的自衛権は行使できるが、集団的自衛権は憲法の容認する自衛権の限界を超える」と説明しています。
この記述が与党内調整の結果によっては変更されるかもしれません。
「世の中の動きを素早くキャッチ」できるのがデジタル版の強みです。
8月の定期更新を前に、担当者は日々のニュースを欠かさずチェックしています。
「大辞泉」の板倉俊編集長は、「ニュースなどで情報収集しながら、予想される修正案を今、急ピッチで準備しているところです。仮に変更されれば今の政府見解を残したうえで、変更後の見解と併せて掲載したい」と話していました。
時事用語を多く扱う「現代用語の基礎知識」。
昭和23年の創刊以来、毎年多くの流行語を盛り込み、それぞれの時代を映し出す鏡ともなっています。
安倍内閣の誕生を受け、2014年版は創刊から66年の歴史の中で初めて「憲法」を特集しました。
この際、集団的自衛権の行使については、「憲法上許されない」と解説しました。
この内容が変わるのか。
「現代用語の基礎知識」を出版する東京・豊島区の自由国民社では、11月に発売する2015年版に向け、あらゆる結果を想定して準備を進めています。
「現代用語の基礎知識」の清水均編集長は、「辞書が丸ごと変わってしまうような一大事になると認識している。早いペースで議論が進んでいるので追いかけるのが大変だ。常に“臨戦態勢”だ」と話しています。
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