大阪市立桜宮(さくらのみや)高校バスケットボール部元顧問(48)の暴力を受けた男子生徒が自殺した問題で、遺族が市に損害賠償を求めた訴訟の第2回口頭弁論が19日、東京地裁(始関正光裁判長)であった。被告の市は、自殺の最大の原因は「生徒が主将の責任を果たせずに不安になり、逃れようとしたこと」だったと反論し、改めて争う姿勢を示した。

 市は書面で、元顧問の暴力行為が違法であり、自殺の背景の一つになったことは認めつつ、練習後も生徒に特に変わった様子はなく、暴力が「生徒の心理に決定的な影響を与え、自殺を決意する可能性があると元顧問が予見するのは不可能だった」と主張した。

 また、当時の校長らの責任も、暴力に適切に対応しなかったことは認めつつ、「自殺の予見はできなかった」とした。(尾崎文康)