入尾野篤彦
2014年6月16日21時25分
サッカーの第20回ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で15日、唯一の初出場国のボスニア・ヘルツェゴビナが登場した。20万人以上が犠牲となったボスニア紛争など、様々な困難を乗り越えてたどり着いたW杯。スタンドには、母国の晴れ舞台を誇らしげに見る1人のサポーターがいた。
ボスニア北西部に住む弁護士のエレベディン・アラギッチさん(35)。リュックサックに、青地に黄色、星が斜めに並ぶ国旗を差して、リオデジャネイロの空港に降り立った。ブラジル行きを決めたのは、開幕の約1週間前。お金が工面できずあきらめていたが、紛争でアメリカに移住した友人から「チケットが1枚余った」と電話があり、すぐに航空券を予約した。
1992年に起きたボスニア紛争で父を亡くした。当時、アラギッチさんは12歳。「ほかにも仲間がたくさん死んだ。内戦についての話は、今でもしたくないです」という。
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