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【鈴木 博喜】

市民の不安に寄り添わない伊達市 ~0.5μSv/hでも安全?「0.23μSv/hがひとり歩き」とも

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福島の山-2

【「県内で一番、除染が進んでいる」】
 市民の怒りをよそに、市当局の〝暴走〟は止まらない。
 仁志田昇司市長は「だて復興・再生ニュース」5月22日号に「年間1ミリシーベルト=0.23μSv/hの呪縛」と題したコラムを掲載。
「1ミリシーベルトが、今すぐ達成されていないと安心できないという市民の受け止め」「国の示している0.23μSv/hは実態に即していない。年間1ミリシーベルトは0.46~0.5μSv/hだ」などと持論を展開し、0.23μSv/h以下の空間線量を求める市民を暗に批判している。
 また昨年10月、原子力規制委員会の会合に提出された参考資料「『伊達市の除染』について」では、仁志田市長の決断力などによって同市の除染が他市に先行した、としたうえで「仮置き場への、かたくなな抵抗」「説明会100回…でも、誤解が解けない」「0.23μSv/hがひとり歩き」「全体を見ている行政vs自分の家だけの住民」「自分の近くにある放射能忘れた?→単なる迷惑施設」(原文ママ)などと、不安を抱く市民を愚弄しているともとれる表現が並んでいる。
 資料を作成した伊達市放射能対策政策監の半澤隆宏氏は、苦笑交じりに否定する。
 「市民を愚弄?そんなつもりは毛頭ありません。まあ、どう解釈していただいても良いですよ。それは自由ですから。それに、パワーポイントで作った資料なんてそんなものだと思っています。あれは市民向けに公表するものでもないですしね。ある程度、ストレートな表現にならざるを得ない。第一、別の資料でもはっきり書いていますけど、私は住民の協力があったからこそ、ここまで除染が効果的に進められたと思っているんです」
「伊達市の除染が福島県内で一番進んでいる」「うちほど進んでいる自治体はない」と胸を張る半澤政策監。
「自然低減が進んだ今から除染始めても、0.8μSv/hが0.4μSv/hに下がるだけ。しかし、伊達市は早めに取り組んだおかげで3μSv/hが1μSv/hに下がった。これは、福島市や郡山市をはるかに凌ぐ除染効果ですよ。今でも放射線量が高い個所が通学路などに点在していることは承知しています。では、除染をやらずにおいて良かったんですか?やらないよりはやった方が良かったでしょう」
 過去に経験のない未曽有の事故。わずか3年で被曝の危険性や住民の不安感が払しょくできるはずがない。
 「われわれは神でも預言者でもありませんから、安全だとも危険だとも断言できません。分からないのだから、放射線を気にする自由、気にしない自由、どちらも尊重されるべきです。100人いたら100人全員を同じ方向に向かせることなどできませんしね」
 最後に「伊達市は汚染されている、という表現は事実に反するか?風評か?」と尋ねた。半澤政策監はきっぱりと言い切った。
 「風評ではありません。伊達市が放射性物質に汚染されているのは事実です」
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霊山町から保原町に抜ける県道349号線には0.5μSv/hを超す個所も=保原町柱田
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阿武隈急行線・保原駅前のモニタリングポストは0.39μSv/h
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除染土の仮置き場には、保原高校美術部の生徒が描いた絵がフェンスに掲示されている。「生活圏に設置された仮置き場の景観が住民に与えるストレスの緩和策」という

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