動物感覚 アニマル・マインドを読み解く

『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』
実にみのりの多い良書。
著者はアスペルガー症候群の女性である動物研究者。
いかに我々は異種生物について無理解か、人間以外の世界がいかに多様で広いかを、これでもかと披露!
脳が正常に機能していない人は、脳のもつ力がどんなに大きいか、わかっている。スキナー博士は脳卒中になって、すべてが環境に支配されているわけではないことがわかったのだ。
動物も自閉症をもつ人も、ものについて自分たちがもっている_概念_には目を向けない。実際にあるもの自体を見る。自閉症の人は世の中を構成しているこまかい点を見るが、ふつうの人はそういったこまかい点をすべてぼやけさせて、世間の一般的な概念にまとめる。
足の不自由なニワトリは、普通の味つけをした餌よりも、痛み止めを振りかけたまずい餌を選んでいた。これはニワトリが痛い目にあっているなによりの証拠だ。
黒い毛に対する白い毛の割合がきわめて大きいダルメシアンは、真性のアルビノに近づいている。ほかの犬よりも聴覚に障害をもつ率が高く、しばしば頭が悪くて訓練ができない。
化石を見ると、種は飼いならされるとかならず脳が小さくなっていることがわかる。馬の脳は16%、豚の脳は34%も、そして犬の脳は10から30%小さくなった。
序列の最下位のサルが、最もでたらめな衝動的な攻撃をするのに対して、ボスザルは静かで落ち着いていて、攻撃的になるのは、グループを守らなければならないときだけだ。
〜科学に佇む一行読書bot
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