Web Original
プロ野球コラム
これまで西武でチームでただ一人開幕から全試合出場を続ける栗山巧。今年はクリーンアップの一角をつとめているが、下位に沈むチームを引き上げることができるか。
photograph by Naoya Sanuki
野球善哉

2番は“ゲームを動かせる打順”。
野球を変える「2番打者再考」論。

氏原英明 = 文

text by Hideaki Ujihara

photograph by Naoya Sanuki

「ゲームを動かすことができる打順」

 そんな話題になったのは、西武のキャプテン・栗山巧に、打順についての話を尋ねた時だ。

 栗山は'08年のシーズン、2番打者として最多安打のタイトルを獲得。1番・片岡治大(現巨人)と、3番・中島裕之(現アスレチックス)、4番・中村剛也のクリーンアップの間に位置し、日本一の立役者になった一人だった。

前後の打順を考えれば、攻め方が変わってくる。

「僕の前が片岡さん、中島さんとおかわりが後ろにいる打順で、そこに挟まれて2番をやれたのは大きかったです。最初は、苦しみながらヒットを打つことを考えていたんですけど、どうやってヒットを打つかと考えたときに、流れに沿った中でプレーした方がヒットになりやすいことがわかってきました。

 たとえば、片岡さんはその当時50~60の盗塁がありました。単純に考えたら、相手のバッテリーは(片岡さんの)スチールを防ごうと思って、外のまっすぐが多くなる。またゲッツーを狙いに来た時は、外のシュート系が多くなる。そして、後ろに中島さんとおかわりがいるから、僕には四球なんか出せないんですよね。つまり、ストライクゾーンで勝負してくる。

 早めに追い込んでくるから、カウント球は、緩い球から入ると考えて打席に立っていました。(2番は)試合を大きく動かすことができる打順でもあると思います。

 今、ライオンズの調子がいいのは(渡辺)直人さんが2番を打って、いい働きしてくれているから。直人さんは、場面によってボールを見る。フルカウントにしてアウトになっても、5、6球投げさせるのと1、2球で打席が回ってくるのとではワケが違う。直人さんがゲームの展開を読んでくれて、いい形でつなぎをやってくれている」

 改めて「2番打者」を考えたい――。

【次ページ】 「送りバント」「つなぎ役」だけではもったいない。

このエントリーをはてなブックマークに追加
  • deliciousに追加
プロ野球 トップへ ナンバーウェブトップへ

野球善哉 バックナンバー

ランニング特集 『Number Do』 第2号発売中! 見つけよう私の健康ノウハウ「カラダStylen for MEN」
言わせろ!ナンバー最新の投稿
タイセイさんさん
2014/06/17 10:42
に投稿
ギリシャに勝つため、先発メンバーを変更した方がいいポジションは?
2列目

アメリカでの親善試合(強化試合)の内容から、長谷部をスタメンとするのではなく青山を使うべき。また、香川の出来が悪いので、左  …すべて読む

nao1025さん
2014/06/17 10:07
に投稿
言わせろ!ナンバーについてお題をもっと見る
  • NumberはW杯期間中“週刊誌”になります!
最新号表紙
854-6
6月5日発売
<ブラジルW杯直前特集> 日本代表23人に問う。