ばらばら死体の夜
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ばらばら死体の夜の感想・レビュー(1484)
それぞれの人の視点の章があって、あーそこで出会うのかと一個一個つながって読みやすかった。ばらばら死体はそっちでしたかと普通に騙された。沙漠てなんかぴったりの名前やなあと思ってたけど、そこまではうまくいかんのか。しかし吉野由乃は結婚ためらうレベル。
金に翻弄される男女の業、という面でも、“ばらばら死体の夜”に行き着くまでのミステリという面でも中途半端で、ボリュームの割に感じ得るものがなかった。登場人物の言動が、非現実的とすら思えるほどに ファンタジックだったり突飛だったりするため、彼らの気持ちがよく伝わってこなかった。また、読み手に対してのある仕掛けらしきものはあるが、真相がわかってからプロローグを読んでも、「この人がこんな物言いをするかなあ」と、もやっとした印象の方が強く残ってしまった。独特の会話劇を味わう作品なのかもしれない。
桜庭さんの作品は、読んでいるうちにどこか異世界に行ってしまいたくなるものが多い。今回もそんな雰囲気だったけれども、多重債務の話が作風とミスマッチだったように思う。素直に弁護士の所に行かなかった理由付けも曖昧で、とりあえず社会の闇を描いてみました、という感じ。相変わらず登場人物の壊れ具合を描くのが上手く、そういう点はとても好みではある。母になり得たかもしれなかった死体をバラバラにして、母の小屋に置き去りにするものとばかり思っていたので、ばら蒔いたのは意外でした。発覚して新聞記事にしたかったからでしょうけど。
宮部みゆきと桜庭一樹の比較になんの意味もないのだけれど、同じく多重債務者を描いた火車はミステリであり社会正義の色が濃い。しかし桜庭一樹が描くと、ミステリではなく社会正義でもない。人の闇を深く掘り下げた結果として救われるという、皮肉的であり苦いものでしかない。
本文より「めんどうなことはあまり考えたくないので、あとにしよう。明日にでも考えよう、とぽんっと思考をまた、未来に向かって飛ばした。」 きれいとは言えない場面ばかりで、読んでいて口の中がいつも苦いような感覚。多重債務って全然関係ないようで、実はその落とし穴の存在にすら気付かず過ごしているんだろう。「普通に暮らしていれば大丈夫。」普通ってなんだろう?
最後まで読んだし、面白くなかったわけではないんだけれど、なんだか感想を書くとなると印象が薄かった感じ。私の中でキーマンとなる登場人物もいなかったですね。。。不思議な作品でした。
積み重なる借金がそうさせるのか、沙漠には「心」が見えない。でもそこには絶望的な孤独がある。そして解も、その友人たちも生きているけど、同じ孤独を抱えている。それはそれぞれが、ちょっとしたことで簡単に沙漠と同じように死の淵に動かされてしまうような、危うさの上に立っている。
四十過ぎの翻訳家、解は謎の美女、沙漠と出会う。裕福な家庭に育った妻とは正反対の魅力に強く惹かれるが、沙漠が解に借金を申し込んだことから「悲劇」の幕があがる。タイトルみてバラバラ死体殺人事件の推理ものかと思ったら全然違った。でも、こういう作品好き。解と砂漠の壊れっぷりが切なくて痛い。一見なにもかも満たされているようで、救いようのない孤独。この話は極端だけど、みんなが、ちょっとづつバラバラで一緒の時間を過ごしていても、結局なんにもわかっていないことって普通にあるんだろうな。人になにかを求めることって切ない。
? だから何? 何が言いたいのかよくわからなくて、共感できなかった。・・・う・・・ん、私には難しかったようだ。 <ママ>の呪縛から離れられなくて、パラダイスに住む胎児のような男と、無の虚に住む抜け殻のような女の話? 「私の男」しか読んだことないが、近親相姦とか<特殊な性>を描くのが得意な作家さんなのかな?
まんまと、ミスリードに引っ掛かった。解の、気持ち悪すぎる幼児性、物語どす黒さに気持ちが悪くなる。結末を知った上で、もう一度じっくり読みたい。
まんまとミスリードに引っかかった。こんなおっきな生ごみ、意外と細い首等。それを可能にしているのは解と沙漠のその内面の幼児性。後先考えず行き当たりばったりの衝動、そして二人ともその惰性で生きている。沙漠は破滅にしか進んでいなかったが、解は理性があった。理性によって幼い頃から抑圧された衝動のはけ口が沙漠に向かったのではないだろうか。罪は露見せずその制裁は自身の肉体とおそらく精神を蝕むことでしか表れていない。そんなものでプラマイゼロになるか?解の罪はいずれ夕へ降りかかるのでは。そんな予感をさせるラストだった。
桜庭さんには宮部みゆきを目指して欲しくないんだけどなぁ。 ネタ切れしてきてるのか、時事ネタを放り込むのは良いんだけど、それを主軸に置いちゃうと、弾性と柔軟性を併せ持つ彼女の小説家としての特質が硬化しちゃって、話が長引くほどにポキンと折れ易くなりがち。 今作品では砂漠が整形美女という設定だが、その秘密が表出する辺りから怪し気で蠱惑的でいた浮遊物がぽたりと地面に落ちちゃって、地表を這うその正体に目を凝らしてみたら、何の事はないただの薄汚れたビニール袋だったという感じのオチ。
途中までは面白く読めたけど最後はあっさりだったなあ。まあありきたりなテーマを劇的に書いたという感じか。整形、不倫、借金とよくある話を凄惨な過去のある男女に意味深に語らせていく。読んでるコッチはその意味深さに何があるのと期待したけど、驚くほどのものもなく案外普通のお話で。途中グレーゾーンの解説あたりは「過払い請求啓発運動」みたいな内容で何かのタイアップ小説かと思ったけど。借金やら不倫やら世の中の悪とされているものと無縁の人が読めば、どこかの遠い話のようなんだろうけど、世の中に普通に転がってる話だよねと思う。
うーん、この作品のテーマは、果たしてなんだったのか…? 貸金法改正の話題がやたら出てくる(巻末にもものすごい数の資料の羅列)が、登場する人物たちそのものとは、あまり関係がなかったように思える。法の改正に振り回されたわけでもなく、単に、当人たち(あるいはその過去や家庭環境)に問題があったわけで、帯でも執拗に煽られていた、この法の改正が果たして社会にどのような影響を及ぼすのか、については全く中途半端な描写にとどまっており、そういう作品ではないのだと認識して読まないと、非常に期待外れな印象を受ける。→
んー…もっとグロくて気持ち悪いのを想定していただけに割とクールなあっさり味。それとも麻痺してきてるのか?吉野解・白井沙漠、両人の病んでる感がどうも感情移入しにくかった。悪くはないのだが全体的にちょっと間延び気味。改正貸金業法の件が現実感強過ぎて違う読み物に思える。序盤でのミスリードもあり終盤で少し混乱しそうになるが、最後は綺麗に纏まっている。ラストは好き嫌いが分かれそう。「人殺しの罪には、みずから語る舌はないが、因果の不思議、何かが代りに話してくれる」。桜庭一樹さん、男性かと思っていたのでそこに驚いた。
思いがけない終わり方だった。いいのか、これで・・・。 独特の句点の使い方と暗ーい内容。嫌いではないが。 お金、お金。お金に追い回されている身と重なる(笑)
解の「おとなになりきれないおとなのからだをしたおとこ」っていう雰囲気が気持ち悪いなあ、と思って読み切った。「私の男」に似た部分もあるかな、と思ったが、こっちのほうが読後の疲労感が大きかった。夢物語じゃなくて、社会が根っこに、大きいテーマにあったから、その現実感が重たく感じられたように思う。甘くて重ったるい倦怠と肉欲とはさすが桜庭一樹といったところだったけれど、「私の男」を超えるものはなかったなあ。残念。
やり場のない重苦しさで読むのが辛くなる話だけれど桜庭さんの作品は読まずにいられない。吉野が制裁を受けずに妻に守られて生き延びている。正義に着地しない結末。そこがまた桜庭さんらしいんだろうな。個人的に桜庭さんの作品には極寒の冬が似合うと思っているのだがこの作品は夏から始まったので少し違和感を感じていたらやはり雪は降り、寒さに震えた。
男と女の欲望が入り交じり、やがてそれが1つのバラバラ殺人を引き起こす物語。この本を読んでつくづく借金はしたくないと思った。それを除けば、淫靡でダークな桜庭ワールドを堪能出来ました。やはり、この退廃の色気は桜庭一樹しか出せないと思う。
全体的に報われない暗い話です。無知や生い立ちからの貧困によって、多重債務を抱え身動き出来なくなっている人達の話。あの新聞は彼にとっては、罪の償いだったのですね。砂漠という名前も由来がわかりよかった。出てくる人物が皆、闇を抱えています。母親に似た女性に惹かれる気持ちは、女の私からすると理解できなかった。
すごく興味をそそられる表紙、タイトルでした。もちろん、主人公の名前も素晴らしいです!ぜひとも再読したいです。お金のこととかになるとよく分からないので。笑笑
はぁ。どんより。暗くて、ねっちり。別の顏で沙漠とのことは無かったことのように生活してる解。エピローグの夕から見た父がいい人な印象じゃなくて良かった。だって美奈子も生きてたんだから。
ドロドロの底なし沼に、チョットだっけ指先を入れてみただけだと思っていたのに……砂漠に振りおろした鉞と共に、解は沼に沈んでしまった、ママと一緒に…七つの章にそれぞれの視点で描かれた沼の様なお話。最後のepilogueが何故か解らないけど物悲しいような気がして好きでした。
てっきりおじさんが殺されるものだと思っていたので、砂漠に人を殺すという発想がどうやったら生まれるのか疑問に思いながら読み進めていたらそういうことかと。向き合いたくないリアルとも、こうやって文章にされると向き合わずにはいられない。こうならないようにお金の扱いには気をつけたいものです。
ホラーかと思ったら社会的ホラー。宮部みゆきの「火車」に通じるけど、もう少しカジュアルに描写されている分この問題の根深さを感じる。返せた人と返せなかった人の差は、運なのかな。社会の底辺に堕ちた人間が一人消えても、なにも変わらない。
図書館*消費者金融ホラー*翻訳家、吉野解は、かつて自分が下宿していた古本屋の二階で謎の女性、白井沙漠と出会う。その妖しい魅力に取りつかれ、次第に深い関係を結ぶ。だがある日、沙漠が解に借金を申し込んだことから歯車が狂い始め・・・(紹介文・他より)――えらい恐ろしいものを読んでしまった!エゲツないお金のリアリティーは勿論のことですが、本書の真に恐ろしいことは、主人公・解の邪悪さだと思います。ネタバレなので何も申し上げることが出来ませんが、これは強烈でした!お金の業の深さが垣間見える傑作!真っ黒ですが良書!
個人的に、桜庭アダルト作品初読です。作中の4名キャラがお金・消費者金融等に追いつめられ、悲劇に向かっていく。なんとも、救いのないお話でした。この作品の前に「砂糖菓子の弾丸・・・」を読んだ後だけにね。
おぉぅ…どんより、ぐったり。道をちょっと一本間違える程度の軽さで、人は簡単に堕ちる。そうなると大抵どこまでもただただ、ズルズルと…。 この重さも嫌いじゃあないんだけど、とりあえず桜庭さん初という人にはお勧めしない一冊かな~。個人的にはやっぱり少女をテーマにした作品群が好きです。
初、桜庭一樹。ストーリー云々よりも文体の気怠い感じがツボ。そして一々細かい描写とキャラクターの台詞が独特の雰囲気を醸し出している。お金というのは確かに冷めない悪夢。そして抜け出す事が出来ない地獄である。砂漠のお金への執着心が、皆ひた隠しにしているが実は抱いている人間の欲望をそのまま表していて、真の自分の姿を見せられているようで少し怖くなった。
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