Updated: Tokyo  2014/06/17 10:32  |  New York  2014/06/16 21:32  |  London  2014/06/17 02:32
 

IMF:米成長率予想を下方修正、ゼロ金利は予想より長期化も

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  6月16日(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は米経済の今年の成長率予想を下方修正し、金融当局が投資家の予想よりも長くゼロ金利政策を続ける可能性があるとの見解を示した。

IMFは今年の米成長率予想を2%と4月時点予想の2.8%から下方修正した。2015年の予想は3%で据え置いた。低インフレの中で米国は17年末までは完全雇用に達しないとの見通しも示した。

IMFはまた、米潜在成長率の見積もりも下方修正し、向こう数年間は平均2%前後との見方を示した。これは歴史的な平均水準を下回る。1年前には2015、16年の潜在成長率を2.3%、17、18年を2.4%と見積もっていた。

IMFは金融政策について「政策金利は現在市場で予想されている15年半ばより後までゼロにとどまることが可能だ」と米経済に関する年次報告書で指摘した。

インフレが予想以上に加速し、一方でまだ完全雇用に至らない場合は、「インフレ率が一時的に長期的目標よりも幾分高くなるのを容認することは、インフレ期待が抑えられ金融安定へのリスクが低い限り、米金融当局の二大責務へのバランスのとれたアプローチに一致し得る」と分析した。

現在は冬場の悪天候の影響から回復しつつあるものの、この回復は1-3月(第1四半期)のマイナス成長につながった弱さを「部分的にしか相殺しない」との見方も示した。

IMFは潜在成長率を高めるため最低賃金の引き上げとインフラ投資、移民政策の改革を呼び掛けた。

さらに、金融当局は「多くの側面での不確実性」に対応する必要があるため政策の見通しは「特に不透明になる」とし、これは将来の政策金利動向についての市場予想の幅の狭さや歴史的に見て低い資産価格ボラティリティと対照をなしていると指摘。金融当局が利上げの計画について十分に市場に伝えても、米国外も含め今後数カ月に「資金の流れと価格に大幅な振れ」が生ずるリスクはあるとしている。

原題:IMF Cuts U.S. Growth Forecast, Sees Scope for Zero RatesLonger(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Sandrine Rastello srastello@bloomberg.net;ワシントン Nina Glinski nglinski@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Chris Wellisz cwellisz@bloomberg.netMark Rohner, Brendan Murray

更新日時: 2014/06/16 23:52 JST

 
 
 
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