LINEスタンプ上位ランカーはリリース後の一ヶ月で何をやったのか?を聞いてみた!
LINEクリエイターズスタンプの勢いが留まることを知りません。
クリエイターズスタンプを販売する「LINE Creators Market」から下記の発表がありました。
ユーザーがLINEスタンプを制作・販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」において、5月8日から6月7日までの1か月間におけるスタンプ販売総額が1億5千万円を突破した。また販売額1万円以上のスタンプは全体の約6割を占めた。
クリエイターズスタンプ制作には、一般の方からプロのデザイナーや企業まで様々な方が乗り出していて、
販売が開始されたスタンプ1200セットのうち6割強が売上1万円を越えているようです。
このように競合ひしめく激戦区の中で、「LINE Creators Market」において結果を残している上位ランカー4名のクリエイターの方々にインタビューを行いました。
公開からこの1ヶ月間でどういうプロモーションをうち、どんな工夫をしたのかを聞いてきました!
- ■目次
4名のクリエイターズスタンプ上位ランカーにインタビュー!
1.4名のクリエイター紹介
2.人気クリエイターは○○が買えるくらい売上があった!
3.売れるかどうかはプロモーションのやり方で決まる!
4.スタンプ制作には秘話が隠されていた!
5.クリエイターの今後の展望とは…?
6.スタンプ制作を考えている人はこうすべし!
7.まとめ
1.4人のクリエイター紹介
今回の取材に応じてくれた4人のクリエイターの名前とスタンプを紹介します!
そうそうたる面々ですね。この4人の方々にお話しを伺っていきます。
では、宜しくお願いします!
2.売上と売れた時期
早速ですが、売上の規模やよく売れた時期を聞いてみました。
売れると手が届くのはまさかの○○!?
「ざっくりと売上規模を教えてください」
- 「自動車1台が買えるくらいですね。車種でしょうか?ご想像にお任せします(笑)」
ランキング30位までの売上平均が260万、10位までの平均が460万との発表が出ているので、
森もり子さんは長い間ランキング1位にいたということから、その額推して知るべしといったところでしょうか。
一番売れた時期とは…?
「よく売れた時期はいつですか?」
- 「DLが一番多かったのはLINEクリエイターズスタンプの公開翌日の5月13日でした。
次にアプリ内販売が始まった24日,25日もDLが多かったです。」
5月23日にLINEアプリ内購入ができるようになるまではweb上からでしか購入することができなかったため、ユーザーがスタンプに辿り着くまでのハードルがかなり高かったようです。
- 「GLAYのHISASHIさんがツイートして下さった時、声優の原田ひとみさんが
ツイートして下さった時などのタイミングでDL数は増加しています。」
著名人など、多くのフォロワーを持つ人に拡散してもらえると一気に数多くの層に広がるようですね。
3.プロモーション施策
ランキング上位に入った方々がどのようなプロモーションをとっていたのかを聞きました。
使うべき告知メディアはあのメディアだった!
「SNSで告知を行いましたか?」
- 「twitterでの告知はかなり効果的でしたね。もともと自身のめんどくさい恋愛観を投影したtwitterアカウントを持っていて、それなりにフォロワーはいました。試しにラフ画をtwitterに上げたら1000リツイートいったので、『これはいけるかも』と思いました。」
- 「スタンプショップで1位を取っていた森もり子さんの画像付きツイートがたくさん
リツイートされていたのを見て、その日のうちにエヅプトくんの告知画像を作ったりしました。」
- 「森もり子さんがtwitterで17000リツイートという驚異的な数字を
叩き出していましたが、彼女は以前からtwitterではフォロワーが多く、
そんな彼女のキャラとマッチしたスタンプに、ファンが飛びついたという感じでした。」
ある程度のフォロワーがいる方にとってはtwitterは大きな宣伝媒体になるようです。facebookと違ってフォロワー全員に情報が届くという仕組みが良かったのでしょう。戦略としてまず、twitterでフォロワーを獲得してから一気に拡散するのも効果的ば方法と言えるでしょう。
また、他の媒体を使うことも考えられます。
SNSに加えて、個人で運営しているブログやメディアでの告知も大切ですね。
売れるかどうかの分かれ道は販促のタイミング!
「プロモーションの際の工夫などあれば教えてください」
- 「全体のスタンプの数が増え続けていく中でどんどん埋もれてしまうので、販売開始後にスタートダッシュを切れなかったら注目してもらうのは難しいと思います。」
- 「特に新着で上の方に上がるため、リリースされた瞬間に畳みかけることができれば、
ランキングの上位に表示され、ユーザーに見つけてもらいやすくなります。
そのために審査期間に告知物を作成し、自分のメディアで発信する準備をしました。」
新着で上位に表示されているうちに多くの人に使ってもらうため、審査期間中であっても気を抜かずにスタンプの訴求を図ることが肝要だそうです。販売開始後にいかに早く拡散できるかがカギになってきます。
4.スタンプ制作秘話
ここではスタンプを作っていく過程で必要なことや工夫について聞いていきました。
人気クリエイターが制作にかけた期間は?
「制作個数と時間の目安を教えてください」
- 「描いたイラストは200個ほどです。時間は1カットにつき平均して2~3分程ですので、
トータルで10時間くらいだったと思います。」
- 「作業以前に企画を練った時間はありますが、平均すると一個一時間ぐらいです。」
イラストを一個描くスピードはやはり人や絵柄により様々なようです。ちなみにカナヘイさんやYojiro Taniさんは3セットもスタンプを作っていたそうです。取材した4名を平均すると、描いたイラストは1セット(=40個)につき全部で70案くらいで、かかった時間は20~30時間みたいですね。
行うべき有効な事前チェックはこれ!
「ユーザーテストについて教えてください」
- 「有料LINEスタンプを【たくさん使っている】ヘビーユーザーの方にチェックしてもらいました。このとき、作ったものを4段階で審査してもらい、全てのスタンプに【最大評価】がもらえるまで作りました。」
ここまでしっかりとユーザーテストされているとは驚きです!確かに有料スタンプのヘビーユーザーを納得させられるかどうかは、一つの良い判断材料になりそうです。
リジェクトされないために必要な文章!
「英語の説明は必要なのでしょうか?」
- 「英語の説明は必要なので注意です。リジェクト(審査不通過)される時は、LINEからの最後のメールの中に『リジェクト』と書かれています。」
日本でしか売る気はないと思って英語での説明文を省くことはできないようです。また、スタンプ名も同様です。
スタンプのアイディアをどうやって出しているのか?
「アイディア出しで工夫したところがあれば教えてください」
- 「スタンプを希望して下さってる方々の期待によりお応えできるよう
『欲しいスタンプ』のリクエストを募集しました。」
- 「ターゲットユーザーの声を聞くのはスタンプを作ってからにしました。
最初から声を反映させすぎると、突発的な閃きの可能性を消してしまうからです。」
スタンプのアイディア出しの段階からユーザーの声を聞くか、それともある程度自分で作ってからユーザーの声を聞くのか、カナヘイさんと森もり子さんで反対のことを言っています。ここには制作者のこだわりを感じますね。
5.今後の展望
一時は全員トップ10にランクインしていたほどのクリエイターが、スタンプで成功を収めた後どうするのかを聞きました。
売れた後に待っているものとは?
「グッズ化を考えていますか?」
- 「グッズの一般販売は今まであまりやっていなかったのですが、現在メーカーさんと企画中ですね。」
- 「大手雑貨店でのグッズ化などのオファーを頂いています。」
やはりLINEスタンプで人気になると、グッズ化についても引き合いがあるようです。
自分の考えたキャラクターがグッズ化されるなんてたまりませんね。
クリエイターはスタンプ制作だけじゃない!
「今後の展開は何か考えていますか?」
- 「今回のスタンプより良いものを作るのは難しそうなので、ゆっくり創作活動を
行っていこうと思っています。私自身の投影で恐縮なのですが、今回、『もり子』というキャラクターが出来たのでこの子を大切にしていきたいです。」
新しくキャラクターを制作するのではなく、ある程度知名度もついたキャラクターを育てていきたいと考えるのも確かにわかりますね。
6.スタンプ制作者へのアドバイス
先達に学ぶことは少なからずあるかと思いますので、スタンプを制作中、もしくは作ろうとしている人に向けてのアドバイスを聞きしました。
イラスト以外に気を付ける場所とは?
- 「サムネイルと一覧画像などの印象がとても大事だと思っていますので、
制作しながら画像を並べていき、全体のバランスを取ると良いと思います。」
- 「販売画面でのスタンプの並び順に一番気を使いました。
1位で話題になった森もり子さんのスタンプは、購入後の使用画面での並び順もとてもキレイでした。」
イラストを一枚一枚ただ描くだけではなく、40個のスタンプ画像全体のバランスや並び順を気に掛けることもユーザーに使ってもらえる秘訣なんですね。
目指すべきイラストの理想はこれ!
- 「ランキング上位には白系の猫やうさぎのスタンプが多いですが、
それらを描いてしまうと
どうしてもプロのイラストレーターさんには勝てないので、
キャラクターのユニークさで勝負することが大切です。
エヅプトの場合、上手いイラストに囲まれた
「下手すぎる絵」が目立つ形になりました。
そのように色や形状の奇抜さをもって
何か尖っている特徴があれば強いのではないかと思います。」
LINEクリエイターズスタンプは申請費がかからないので日々ライバルは増えていきます。その中で埋もれてしまわないようなインパクトを持たせたいところです。
クリエイターの考える制作の秘訣とは?
- 「LINEのコミュニケーションの原理を捉え、ユーザが喜ぶものを作ることこそが一番のクリエイティブかもしれません。
なので、LINEそのものを研究し、ユーザの声に耳を傾け、喜ばれるものを生み出すことに楽しさを感じられようであれば、すごく良いスタンプになるはずです。」
- 「また、内輪だけで通じるネタスタンプや、知人の結婚式を祝うスタンプなど、
人気になることだけを目的とせず、様々な楽しみ方をしていけばいいのではないでしょうか。」
- 「ある程度の絵を描く技術とソフトの知識があれば誰でも作れますが、その一方でお金を稼ごうとすると今は厳しいのかなと感じています。
そもそも40個もスタンプを作るのは非常に大変なので、創作活動自体を楽しめる人がクリエイターズスタンプ作りに向いている気がします。クリエイターなら自分の描いたイラストを、多くの人に楽しんでもらえるのは嬉しいことだと思うので。自分のスタンプをユーザーが使っているところをキャプチャで撮ってtwitterに上げてくれているのを見た時の嬉しさといったらもうたまりません。」
流石は並居る競合との戦いに勝ってきた方々だけあって、それぞれの思いが込められているのが分かりますね。「売ろう、儲けよう」ではなく「楽しんでもらって、自分も楽しもう」という想いが伝わってきます。
7.まとめ
ここでもう一度まとめておきます。
1.売上と売れた時期
・売れると手が届くのはまさかの高級自動車!?
・一番売れたのはストアオープン時とアプリ内購入解禁時!
2.プロモーション施策
・使うべき告知メディアはtwitter!
・販売開始時の販促こそ売れるかどうかの分かれ道!
3.スタンプ制作秘話
・注意して聞きたいユーザーの声!
・40個作るためには描く案は平均70案、かける時間は20~30時間!
・後々効いてくるのが厳しいユーザー目線での事前チェック!
・飛ばしてはいけない必須の英語の説明文!
4.今後の展望
・売れるとかかるグッズ化の声!
・スタンプにより世の中に認知されたキャラクターを育てるという道!
5.今からスタンプを出す人へのアドバイス
・サムネイルとスタンプ一覧画像の印象が大切!
・ユニークなイラストも重要!
・制作の秘訣はユーザー目線で考えることと楽しむこと!!
クリエイターズスタンプに興味がある方にとって参考になる部分も多かったのではないかと思います。
総じて、創作活動を楽もうという姿勢を感じました。そしてクリエイターたちはランキングの高い人の動向をよく観察していることも伺えました。先人の良いところをどんどん吸収して、LINEクリエイターズスタンプを成功させたいですね。
最後になりましたが、インタビューにご協力頂きました4名の方々、どうもありがとうございました!
以上、【大公開!】LINEスタンプ上位ランカーはこの一ヶ月で何をやったのか【インタビュー】でした。
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