PICK UP!

<

>

Base Ball Bear

INTERVIEW

イタさのなかで僕はずっと正気を保ってきた

前回公開した小出祐介による新作『二十九歳』のインタビュー後編を公開。ぜひ6月5日公開分の前編と合わせて読んでほしい。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

0

記事を読む

映画「スイートプールサイド」モーモールルギャバン × 松居大悟

SPECIAL

SPECIAL-監督・松居大悟と、主題歌を手がけたモーモールルギャバン、4人のスイートな(!?)座談会

監督・松居大悟の新作映画が公開! そこで、今作主題歌を手がけたモーモールルギャバンと松居による座談会を企画。甘くも苦い4人の思春期が!?

0

記事を読む

GLIM SPANKY

INTERVIEW

GLIM SPANKYとして「焦燥」をやるなら、こういう音

ミニ・アルバム『焦燥』でメジャー・デビューを果たす、男女2人組新世代ロック・ユニット“GLIM SPANKY”のふたりが初登場!

INTERVIEW & TEXT BY 今井智子

0

記事を読む

星野 源

INTERVIEW

性格が前より明るくなったと思います(笑)。今はもう休みたくてしょうがない(笑)

待ちに待った7thシングル「Crazy Crazy/桜の森」がリリース。療養から武道館公演での完全復活、そして今作──そこに、星野源の素直な気持ちがのぞく。

INTERVIEW & TEXT BY 土屋恵介 PHOTOGRAPHY BY 笹原清明

0

記事を読む

SISTERJET

INTERVIEW

事実上の1stアルバムです

昨年末に新ベーシストが加入し改めて3ピースでの活動をスタートさせた新生SISTERJETの約2年ぶりのフル・アルバム『X X X 』に迫る!

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

0

記事を読む

忘れらんねえよ

INTERVIEW

ようやく自分たちらしさを発揮できたんじゃないかなって手ごたえがあった

こだわりの両A面ミニ・アルバム『あの娘のメルアド予想する』が完成。“童貞偽装”で巷をお騒がせ(!?)のソング・ライター柴田隆浩が語る。

INTERVIEW & TEXT BY 長谷川誠

0

記事を読む

Dragon Ash

LIVE REPORT

ロックが好きでココに来てるヤツらが好きにできないハコだったら、願い下げだ!

自身初となる日本武道館にて行われた、アルバム『THE FACES』を掲げた全国ツアー“THE SHOW MUST GO ON”のファイナル公演。

TEXT BY 唐澤和也

0

記事を読む

Charisma.com

INTERVIEW

ディスをストップするか、それともトッピングしていくか

待望の1stフル『DIStopping』をリリースしたCharisma.com。カリスマが吐き出すディス、ただのディスだと思ったら痛い目にあいます!

INTERVIEW & TEXT BY 小島双葉

0

記事を読む

the telephones

INTERVIEW

新人バンドみたいな感じで聴いてほしい

来年10周年を迎えるthe telephonesがニュー・アルバム『SUPER HIGH TENSION!!!』をリリース。メンバー全員に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

0

記事を読む

Base Ball Bear

INTERVIEW

僕が世の中に抱いてる違和感の正体

最新作『二十九歳』についてフロントマンの小出祐介がすべてを語ってくれた。彼の思いが詰まったロング・インタビューの前編をお届け。

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

0

記事を読む

椎名林檎

LIVE REPORT

本気で遊ぶ大人の迫力

セルフ・カバー・アルバム『逆輸入 ~港湾局~』のリリースを記念し開催された“ちょっとしたレコ発”の横浜公演の模様をレポート!

TEXT BY 今井智子 PHOTOGRAPHY BY 外山繁(Toyama Shigeru)

0

記事を読む

N'夙川BOYS

INTERVIEW

要するに、今までの自分たちの曲じゃ対応できなかったんですよね

ドラマ「SMOKING GUN〜決定的証拠〜」主題歌「ジーザスフレンド」を書き下ろし、あらたなフェーズへの扉を開けた3人の今のキモチは?

INTERVIEW & TEXT BY 森朋之

0

記事を読む

The Birthday

INTERVIEW

まさかオレが桜を題材にして歌詞を書く日がくるとは思わなかった(笑)

最高のロックを聴かせる、約2年ぶりのアルバム『COME TOGETHER』について、チバユウスケとクハラカズユキに話を聞く──。

INTERVIEW & TEXT BY 長谷川誠

0

記事を読む

テスラは泣かない。

LIVE REPORT

“マグマロック”を掲げるバンドのエモーショナルな演奏

ゲストにヒトリエを迎え、新代田FEAVERにて行われた“「Lie to myself」RELEASE LIVE【LIE TO YOURSELF】”の模様をレポート!

TEXT BY 金子厚武 PHOTOGRAPHY BY 植本一子

0

記事を読む

坂本慎太郎

INTERVIEW

自分のなかで新鮮に感じられるもの

構想に2年の歳月をかけた新作が届く。今作について、そしてソロとしての活動について──坂本慎太郎、語る。

INTERVIEW & TEXT BY 小野田雄

0

記事を読む

The Mirraz

INTERVIEW

自分たちの作ったハードルをちゃんと超えられた

あらたなドラマーが加入し半年、The Mirrazからニュー・シングルが届く。バンドの今、そしてこれからについて、畠山承平が語る。

INTERVIEW & TEXT BY 森 朋之

0

記事を読む

KANA-BOON

INTERVIEW

テンションが上がってたし、みんなで楽しんで作った感じが曲に出てる

音楽が、バンドが、楽しくてしょうがない。そんな今の彼らのハイ・テンションっぷりをも表す、疾走感溢れるナンバー「フルドライブ」をリリース。

INTERVIEW & TEXT BY 森朋之

0

記事を読む

Base Ball Bear

前編の反響は正直、予想以上だった。もう、僕がここでひとり多くを語る必要はないだろう。小出祐介インタビュー後編です。ぜひじっくり読んで、そしてBase Ball Bear『二十九歳』を味わい尽くしてください。 (前編はこちらから)

INTERVIEW & TEXT BY 三宅正一

0

言ったほうがいいなと思ったんだよね。“そればっかりじゃつまらないよ”って

――「UNDER THE STAR LIGHT」ってさ、ザ・ベボベっていう曲だし、今までだったらシングルなりアルバム・リードになったであろう曲じゃないですか。
これはホントにそうだね。この曲はまさに今まで自分たちが歩んできた道のアップデートもちゃんとしておこうと思って作ったもので。

――でもこれをリードにしなかったのが『二十九歳』だし。
ホントにそう。これを推さないことに意味があるというか。「UNDER THE STAR LIGHT」でもよかったんですけど、このアルバムの趣旨を考えたら「そんなに好きじゃなかった」をリードにすべきだと思ったし。

――でも、この曲はそのうえで“どうだ!”って感じもあるでしょ。さっきの話から繋がる今のバンド・シーンに対しても。
うん、そうね(笑)。いやね、もう……“これだから!”っていうのはあるよ。あの……これは別に自惚れではないんだけど、今のギター・ロックの主流になってる、テンポが速くて4つ打ちって、あれ最初にやり始めたのは俺たちじゃね? ってちょっと思ったんですよ。もちろん、ほかにも何組かいると思うけど、間違いなくああいうアプローチをひとつの方法論としてバンドの売りにしたのは僕らだし。「ELECTRIC SUMMER」を出したときにああいう曲ってなかったから。

――あれは2006年リリースだよね。
そう。アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の「君という花」とかもあったけど、あの曲はテンポも遅くて、もっとガレージ・ロック的な文脈からできてる4つ打ちだと思ったし、いわゆるダンス・ミュージック的なものではなかった。僕らはテンポをガーッと上げて、曲をダンサブルにするためにコード進行がループになってるサウンドにするというやり方で「ELECTRIC SUMMER」を作って。でも、今はそれがもう当たり前の方法論になってるし、そればっかりになったなと思って。そればっかりじゃ面白くないじゃんっていうことはOKAMOTO'Sとかも言ってるけど、それに対しては僕が言ったほうがいいなと思ったんだよね。“そればっかりじゃつまらないよ”って。始めた人のひとりに僕はいるから。そればっかりやってたら音楽関係なく騒ぎたいやつらしか集まらないよって。

――そればっかりだったらロック嫌いになる人も、現場に嫌気を起こす人もかなりの数いるだろうよっていう話だよね。音楽が好きならそこで洋楽に流れたらいいじゃんとも思うけど、それはまた別の議論になるから。
うん、そうなんだよね。あと思うのは、三宅さんも、でんぱ組.incの武道館ライブに行ったじゃん? あの一体感って今のロックの現場にはなかなかないよね。

――もう、すげえ感動した。メンバーはもちろん、お客さんもカッコよかったし。俺、Twitterにも“お客さんも含めた集団生き様エンターテイメント”だって書いたんだけど。ただ、アイドルとロックの話を比較論で語ると、これもまた危険だなとは思うんだけど。
そうなんだよね。その議論だけで何時間も経っちゃうから(笑)。

――でも、熱量に満ちたエンターテインメントの本質の大きなひとつが間違いなくあの武道館ライブにはあったなって思う。
そうだよね。もちろん、でんぱ組.incは誘導がうまいというのもある。グループとしてストーリーを作るうまさも見事だしね。それも踏まえてあの一体感は素晴らしいよね。あとね、この前、岡村(靖幸)さんのライブにゲストで出たんだけど。

――オープニングで「愛はおしゃれじゃない」でコラボレーションしたときね(映像はこちらから)
そう。まあやっぱり岡村靖幸のエンターテイナーとしての圧倒的な生き様を見て、これも今のロック・シーンにはないなと思った。オープニングは紗幕が降りていて、岡村さんがシルエットのまま歌い出すんだけど、その段階でもう割れんばかりの歓声で。

――マイケル(・ジャクソン)的なオープニングの熱狂ぶりっていう。
そう、マイケル的で。今、そんな日本人って岡村さんしかいないなと思って。歌う前も、歌ってる最中も、歌い終わったあとも熱狂、熱狂、熱狂で。もちろん僕は岡村さんのようなエンターテイナーには絶対になれないから自分は自分の戦い方があると思ってるんだけど。

――その戦い方の提示がこの『二十九歳』だしね。
そう。そのうえで思うんだよ。ロック・フェスが学生の宴会みたいな現場になってたら残念だなって。もちろん、僕らもイベンターさんにしてもその人たちをないがしろにすることはできない。ないがしろにしちゃいけないと思うし。でも、ちゃんとそこに対して批評がないといけないと思うんだよね。演者側も。エサを撒いてるだけじゃ絶対ダメだと思う。

――うん、よくわかる。あの、岡村さんとはエンターテイナーとしてのタイプは違うけど、星野 源くんのライブも音楽主義でありつつ豊かなエンターテイメント精神に満ちてるなあと思うんだよ。だからあの人の音楽がポップであればあるほど強烈なカウンターだなとも思うし。
ああ、なるほどね。わかる気がする。

――この前、フェスで星野くんのライブを観たときにこの人さすがだなと思ったのは、あの変なサークルモッシュが生まれてなくて。ユーモアもエロも死生観も忍ばせた曲とパフォーマンスでお客さんをしっかり集中させて盛り上げてるんだよね。“あ、僕の音楽はそういうんじゃないんで”って勝手に彼の言外の声が聞こえたというか(笑)。
それはすごいね。僕も源さんの音楽は全部批評だと思ってる。それがあの人の音楽の豊かさにもなってるし。

答えのないアルバム

――曲の話をするって言いながら大幅に横道に逸れたんだけど(笑)、「UNDER THE STAR LIGHT」。これは「PERFECT BLUE」のストーリーを回収するものですよね。合ってますか?
うん、合ってます。「PERFECT BLUE」と1セットですね。

――そう考えると実はとんでもなく切ないよね。
かなり悲しい曲です。「UNDER THE STAR LIGHT」は。

――ね。死が浮かび上がる。
そうだね。だからこの2曲を青春性として捉えるのか、その向こう側を見るかっていう話なんだけど……ネタばらししちゃえば簡単なんだけど……僕はちゃんと言葉の隅々に行間を設けてますから(笑)。

――うん。わかりやすいところで言えば「The Cut」と「ERAい人」が呼応してるし、曲と曲のリンクを思い巡らせば枚挙に暇がないんだけど。
うん。それがアルバム的な構造なのかなって思うから。だからこそ、このアルバムはやっぱり説明しにくいんだよね。答えのないアルバムだから。答えがないということと、ストーリーに対してエンディングがないモヤモヤ感は残ると思う。

――「The End」もまさにそういうことを歌ってるしね。RPGの主人公を思わせる設定で、エンディング後にこそ長い日常が待ってるっていう。
そうそう。終わりじゃなく続いていく、そこにあなたの“普通”があるっていう。この曲はね、RPGと定年退職をかけてるんですよ。

――ああ、なるほど!
定年退職して、送別会があって“お疲れさまでした!”って花をもらって。“え、じゃあ明日から何するんだろう?”みたいな。

――朝起きてね。
起きて、新聞を読んで。ま、最初の1週間はいいかもしれない。でも、そこから“あれ? 俺まだ生きてくんだよね?”ってなるんじゃないかなって。

――だから定年退職後の貯蓄があっても働く人が多いんだろうね。労働から解放されて、いざ好きなことをやれる! ってなったらほとんどやることがないっていう。
っていうよね。

――そこからの労働はもはや金のためじゃないし。
想像でしか語れないけど、目標がなくなっちゃうと思うんだよね。定年後の平均的な余生が20年だとしたら、あまりに長いじゃん。

――人生史上いちばん長い20年なんだろうな。
うん、いちばん長い20年だと思うよ。その20年の答えはそれぞれのなかにあるじゃん。だから、僕もこのアルバムで答えを言いたくなかった。逆に言えば日常ってどれだけ曖昧な答えに溢れてるかってことなんですよ。今のフェスとかにも言えるかもしれないけど、なんでも誰かが先導してくれて、誰かがこういうゴールがあるから一緒に行きましょうって導いてくれることが多いから。だけど、ホントはすごく曖昧なブラック・ボックスの中にちゃんと自分なりの世界を受け止めて、捉えていく。そういう力が人生には必要だと思うんだよね。そういう提示を、ロック音楽を聴く人たちにできたらなと思ったんだよね。

――だから、絶対にこれはアルバム単位で聴いてほしい。
そう! シングル曲のミックスも全然違うから! iTunesとかで単曲買いできる時代だし、リスナーの方のお財布の都合もあると思うから、それぞれに合った買い方をしてもらってもちろん構わないんだけど、音や言葉の1つひとつに意図があって、アルバム全体に意図があるから。そこはなんとなく作ってないので。できたらアルバム単位で買っていただきたいし、歌詞カードも読んでもらいたいからフィジカルで買っていただくのがいちばんだと思ってます。だってもし「光蘚」だけ買ったらアルバムの意図は全然伝わらないしね。もちろん単体でもしっかり聴いてもらえる曲なんだけど。

――そのあとに「魔王」もあるし。
そう、「魔王」が控えてますから!

次へ

1 2 3