堀内京子、池尻和生、明楽麻子、木村英昭
2014年6月17日07時20分
原発事故が起きた時、避難区域をどう線引きするのか。政府は住民の人生を左右する決定をどんな考えで下したのか。「福山調書」をもとに検証する。
2011年3月11日午後7時すぎ。東京電力福島第一原発で電源が失われて4時間近くが経っていた。首相官邸は非常用電源が働く約8時間のうちに電源車をかき集めれば何とかなるとみていたが、肝心の電源車が手配できず、「原子炉爆発」を懸念する雰囲気が出始めた。住民の大量被曝(ひばく)を避けるため、避難区域設定の議論が始まった。
どのくらいの範囲にしたら良いか。官房副長官だった福山哲郎氏は取材に対し、当初は菅直人首相らと協議して「広め」に避難区域を設定する原則を取り決めたことを明らかにした。
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