シーメンスと三菱重、アルストム事業買収案を準備-関係者
6月15日(ブルームバーグ):ドイツのシーメンス はフランスのアルストムのエネルギー事業への買収提案を準備している。事情に詳しい関係者が明らかにした。同提案ではシーメンスがアルストムのガスタービン事業を取得する一方、パートナーの三菱重工業 と日立製作所が蒸気タービンと水力発電関連事業を拡大できる内容となるという。
同関係者によると、同提案は16日にも発表される可能性があり、アルストムはシーメンスへのガスタービン事業売却で得る現金の一部を株主還元や投資に使える。三菱重と日立、アルストムは蒸気タービン、水力発電関連事業を統合し、三菱重と日立がこの合弁会社の少数株式を取得する。
さらに、シーメンスとアルストムが鉄道資産を統合し欧州輸送グループの誕生につながる可能性もある。シーメンスの監査役会は同案を承認する会合を15日に予定していた。
アルストムのエネルギー事業については米ゼネラル・エレクトリック(GE)が170億ドル(約1兆7340億円)での買収を提案している。シーメンスなどが対抗案を提示すれば、GEは現行案の改善を迫られそうだ。
フランス政府は雇用や研究センター、原子力発電所向けタービンなどに関する国益の保持を目指している。サパン仏財務相は15日、シーメンスの提案は三菱重の参加で魅力が高まっているとの認識を示した。
関係者によると、シーメンス案の下で仏政府と三菱重は仏ブイグが保有するアルストム株29%を買い取る可能性がある。フランスの幹部総同盟(CFE-CGC)の金属労連のガブリエル・アルテロ代表が今月13日に明らかにしたところによれば、モントブール仏経済・生産力再建・デジタル相は政府が三菱重と組んでアルストム株を取得する計画を労組代表に提示した。
原題:Siemens Said Preparing Alstom Energy Bid to Add GasTurbines (1)(抜粋)
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更新日時: 2014/06/16 09:18 JST