セブンイレブンの「おにぎり」や「弁当」の開発・生産で、約3割のシェアを握る黒子企業がある。東京都小平市に本社を構える、わらべや日洋だ。「おいしい」と評判のセブンのおにぎりや弁当は、どのように作られているのか。その舞台裏をのぞく。
「セブンイレブン(セブン-イレブン・ジャパン)」のおにぎりの年間販売数をご存知だろうか。その数、18億7600万個(2014年2月期)。1日当たり約514万個で、1店舗につき約320個が消費されている計算になる。一方、お弁当は5億500万個。毎日1店舗当たり約86個売れている。いずれもその販売数は日本最大と見られており、セブンのおにぎりや弁当は、私たち日本人の食生活を支えていると言っても過言ではない。
このセブンイレブンの「おにぎり」や「弁当」の開発・生産で、約3割のシェアを握る黒子企業がある。東京都小平市に本社を構える、わらべや日洋だ。
同社は1988年以来、セブン向けのおにぎりや弁当の開発・生産に特化してきた。一般的によく聞かれる「セブンのおにぎりはおいしい」という評判は、いわば、わらべや日洋の貢献なくしてあり得なかったとも言える。従業員数は約860人で、2014年2月期の売上高は1865億円、前期比6.6%増となった。セブンの成長とともに、着実に事業を拡大している。
わらべや日洋は、どのようにおにぎりや弁当を開発しているのだろうか。その舞台裏をのぞいてみよう。
わらべや日洋は、160人以上の開発担当者を社内に抱えている。この開発担当者たちが、セブン側から提示される売れ筋などのデータに加えて、自らの足と舌で集めた消費者の嗜好に関する情報を基に、年間約1000種類の試作品を開発している。その中で、セブン側の厳しい審査を経て最終的に採用されるのは、年間約400種類だ。