「洪水の予測」にビッグデータを活用、アイルランドの事例
アイルランドの国立海洋調査機関Marine Institute(海洋研究所)がガルウェイ湾で行っている「SmartBay Galway(スマートベイ・ガルウェイ)」プロジェクト。
(中略)
湾の各所に設置されたセンサーからは、温度や汚染度、波高や植物性プランクトンの割合といった情報が送られます。IBMの「InfoSphere Streams」は、これらのデータをストリーム・コンピューティングによって高速分析処理。流れてくるデータを順次処理するので、一旦データベースにデータを蓄える従来の方法に比べ、迅速な意思決定ができるのです。
これらの情報にはウェブポータル経由でアクセスできます。研究者に留まらず、企業や漁師、住民といった多くの関係者がオープンにアクセスできるようになったことで、海上の漂流物の移動経路や到達時間の予測、漁業や波力発電の研究開発など多方面でデータを活かすことが可能になりました。
ビッグデータの活用であると同時に、誰でも使えるようにオープン化されているのもポイントに感じます。人間の勘や知恵だけではたどり着けない範囲を予測できるのが、ビッグデータの良いところ。同様に、山岳や河川などでも、取り組めそうな事例ではあります。
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ビッグデータを活用した洪水予測システムで湾岸の住民の安全を支える | Mugendai(無限大)
(ライフハッカー[日本版]編集部)
Photo by Thinkstock/Getty Images.
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