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[E3 2014]EA DICEのキーパーソン,カール・マグナス・トロードソン氏に新作プロジェクトやゲームエンジン「Frostbite 3」について聞いた
大きな注目を集めた「Battlefield: Hardline」(PC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360)や,まだまだ情報の少ない「Star Wars: Battlefront」といった,今やElectronic Artsの開発の中枢を担うEA DICEが関わっている新作について話を聞くことができた。
あまり具体的な情報は聞き出せなかったものの,グローバルでもトップクラスの開発力を誇る,同社の一端を垣間見ることができるのではないだろうか。
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4Gamer「E3 2014」記事一覧
4Gamer:
まずは,Battlefield: Hardlineがついに正式発表されましたが,開発はEA直属の傘下スタジオVisceral Gamesとのことです。スウェーデンを本拠にするEA DICEも,本作の開発には深く関わっているのでしょうか。
カール・マグナス・トロードソン氏(以下,トロードソン氏):
ええ,もちろん。とくに,今回はVisceral Gamesが「Frostbite 3」を使う初めてのプロジェクトであり,我々にとってもBattlefieldシリーズを第三者に開発してもらうのは初めてのことなので,知識や技術の交流,とくにプログラミング技術者を派遣するといったことは,ほかのプロジェクトと比べても盛んに行っています。
現在のEAの強みは,Frostbiteを核にして多くの有能なゲーム開発者が協力し合える環境です。ただし,EA DICE側から一方的に援助をするとかではなく,たとえば「Battlefield 4」の開発中には,BioWareのプログラマー達にも協力してもらっています。とくにプロダクトの仕上げでてんてこ舞いになっているときには,外部から助っ人を連れてくるのではなく,EA傘下の開発チームから手の空いている人に手伝ってもらう体制になっているのです。
4Gamer:
なるほど。正式発表と同時にCBTがスタートしたことには驚かされました。
トロードソン氏:
すでに,世界中の多くのゲーマーに楽しんでいただいており,今のところ滑り出しは非常に順調であると思います。EAプレスカンファレンスに合わせてリリースしたため,実際にはα版に近いものなのですが,より早くファンの皆さんに触れてもらうことができて安心しています。
テストアカウントは徐々に配布していますので,現時点でアクセスしているプレイヤー数は具体的に答えられませんが,これまでのミリタリーFPSとは違ったゲーマー層にもアピールできると考えています。
4Gamer:
「警官対泥棒」というテーマだけ聞くと,ずいぶんとこじんまりとした印象ですが,トレイラーに収録されていた都市部が破壊されていく様子は,どこから見てもBattlefieldでした。
トロードソン氏:
ええ。実は,Visceral Gamesが企画を持ってきたときに,この基本コンセプトが面白かったので,ゴーサインを出しましたが,2006年時点でこれに近いものを我々でも作っていたんです。そのため,Visceralとは打ち解けて話を進めることができましたね。
EA DICEは15年以上の歴史がありますが,開発チームはほとんどメンバーが変わらないまま,成長を続けています。今回のケースでは,それが生かされたと思います。
4Gamer:
発表前にリークされた情報では,プロジェクトのコードネームはアメリカの都市「Omaha」だったとのことですが,本作の舞台はロサンゼルスやマイアミだけではないのでしょうか。
トロードソン氏:
どのような経緯で「Omaha」という名称が付けられたのかは分かりませんが,それがBattlefield: Hardlineのコードネームだったことは事実です。舞台になるのはアメリカの各地域で,それぞれの表情をうまく描きたいですね。でも,今のところは「Omaha」そのものに意味はないと,思ってもらって正解だと思います。
4Gamer:
それでは,Frostbiteの研究開発チームについてお聞きますが,どれくらいの規模なのでしょうか。
トロードソン氏:
現在,Frostbiteの研究開発チームは,EA DICEに直接属しているのではなく,EA傘下の独立した1つの部門になっています。もちろん,EA DICEと同じビルにいるのですが,ゲームそのものを開発しているわけではないので,人数自体はそれほどでもないですね。
しかし,ストックホルムだけでなく,ワールドワイドに複数の支部を設けています。我々がシリーズ第1作の「Battlefield 1942」を制作したときは,エンジンとゲームの開発を並行して作業を進めていましたから,そこからの過程を考えると非常に感慨深いものがあります。
4Gamer:
Battlefield: Hardlineが発表される以前には,「Battlefield: Bad Company 3」が開発中という噂もありましたね。
トロードソン氏:
噂は噂ですよ。……でも,新作が完成したら遊びたい?
4Gamer:
そりゃ,もちろん(笑)。ひょっとして,もう開発が始まっているのですか。
トロードソン氏:
いやいや,そんなことはないです(笑)。まあ,皆で検討しておきますよ。
4Gamer:
思わせぶりですねえ。しかし,EA DICEの開発者が「我々はBattlefield工場にはなりたくない」(続編だけを作り続けるメーカーにはなりたくない)との発言をしたという記事がありましたね(関連記事)。
トロードソン氏:
確かに,それは一理あります。ずっと同じプロダクトを作り続けてきた開発者なら,ある時点で自分が手掛けるものについて,「距離を置いて客観的に見てみたい」と考えることは非常に健全だと思いますよ。Battlefield: HardlineがVisceral Gamesで開発されることになった経緯や,現在,我々がStar Wars: BattlefrontやMirror's Edgeの新作を開発していることも,その流れとは無関係ではないでしょう。
4Gamer:
ちょうど今,話に挙がったStar Wars: Battlefrontの企画が持ち上がったのはいつ頃でしたか。
トロードソン氏:
それを具体的にお答えすることはできないのですが,あるとき,(EAの幹部の)Patrick Söderlund(パトリック・ソダールンド)が私のオフィスにやってきて,「おい,Disneyとの提携が合意しそうだから『Star Wars』のゲームを作ろう。専門チームを編成してくれ」と迫ってきたんですよ。もちろん,あのStar Warsですから,我々もやる気に満ちていましたけどね。
4Gamer:
それはつまり,2012年10月にDisneyがLucasfilmを買収してからということですよね(関連記事)。Star Wars: Battlefrontの映像が初めて公開されたのが,E3 2013(2013年6月)のことですから,かなり短期間じゃないですか!
トロードソン氏:
我々は仕事が早いんです(笑)。
4Gamer:
それでは,現時点でStar Wars: Battlefrontについて話せることを教えてください。
トロードソン氏:
プレスカンファレンスで公開したトレイラー以上のことは話せないんですよ。
4Gamer:
新作映画とタイアップするゲームの場合,なかなか新情報が発表されないものですが,今回は新たな映像が公開されました。これは,2015年12月に劇場公開予定の「スター・ウォーズ エピソード7」とは関連がないということでしょうか。
トロードソン氏:
直接的な関連作品ではないですね。映像をご覧になったファンの皆さんは気づかれたと思いますが,タトゥイーンやホスといった映画でもおなじみの惑星がゲームの舞台になっています。だからと言って,これまでの映画作品をただ回想していくという内容でもありません。我々のゲームらしく,壮大な戦場を描くことになるでしょう。
4Gamer:
分かりました。これからもEA DICEの活躍に期待しています。
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