STAP問題 冷凍庫に「ES」容器6月16日 19時51分
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが使っていた研究所内の冷凍庫から「ES」と書かれたラベルを貼った容器が見つかり、中の細胞を分析したところ、共同研究者の若山教授の研究室で保存されていたSTAP細胞を培養したものだとする細胞と遺伝子の特徴が一致したとする分析結果がまとまっていたことが分かりました。
理化学研究所の関係者によりますと、分析結果をまとめたのは、小保方リーダーが所属する神戸市の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの研究者らのグループです。
それによりますと、センター内にある小保方リーダーらが使っていた冷凍庫の中から「ES」と書かれたラベルを貼った容器が見つかり、中にあった細胞の遺伝子を詳しく分析しました。
その結果、この細胞には15番目の染色体に緑色の光を出す遺伝子が入っている特徴のあることが分かったということです。
共同研究者の若山照彦山梨大学教授は16日記者会見を行い、小保方リーダーが作製したSTAP細胞を培養したものだとする細胞を分析した結果、緑色の光を出す遺伝子が、15番染色体に組み込まれていて、これまで若山教授の研究室で小保方リーダーがSTAP細胞の作製に使っていたマウスの細胞とは特徴が異なることが分かったと発表しています。
今回の分析結果について理化学研究所は、「小保方研究室で見つかったESと書かれたラベルの細胞とSTAP細胞から作ったという細胞の特徴が一致したのは事実だ。これだけでSTAP細胞がES細胞だったと結論づけることはできないが、今後さらに詳しく検証を進めていきたい」とコメントしています。
弁護士「コメントできない」
理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーの代理人を務める三木秀夫弁護士は、山梨大学の若山教授が行った記者会見について、「内容を把握していないので何もコメントできない」としています。
また、理化学研究所による分析で新たな事実が分かったことについても「私も小保方さんも理化学研究所から何も聞いておらず、詳しいことも分からないのでコメントできない」としています。
専門家「本人みずから説明を」
これについて日本分子生物学会の副理事長で九州大学の中山敬一教授は、「これまではSTAP細胞はあるという前提で話が進んでいたが、今回の分析結果は実際にはES細胞だった可能性を強く示している。こうしたデータが明らかになった以上、ミスでは説明がつかず、人為的な混入も考えられるので、小保方さんや笹井さんがみずから会見し、説明するのが科学者としての義務だ」と指摘しています。
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