11日、午後7時24分、ヤンキース一回表の攻撃が終わると、三塁側のダッグアウトから姿を見せたイチローが、ライトに向かって走ってきた。
他の選手のようにゆっくりではない。かなりのスピードだ。距離が近くなるにつれて、右翼スタンドには、「ICHIRO!~」のかけ声がこだまする。その声を正面で聞きながら、定位置付近で足を止めたイチローは、立ったまま腰を折り、足元の芝生を右手でさっとなでた。
■年1回の遠征、熱狂的ファンに迎えられ
セーフコフィールドの右翼席からイチローを見たのは久しぶりだった。そもそも今は1年に1回しか遠征がない。ただ、だからこそファンも熱狂的。今回のシアトル遠征では最初の2試合でスタメン出場したが、イチローが守備位置につくたびに大きな声がかかり、イチローもたびたび手を挙げて応じるなど一体感があった。
守備練習のときには、打球に対して背を向け、体をのけぞるようにしてフライを捕る。スタンドから歓声が沸くと、その方向にボールを投げ入れた。
今回、その右翼席の盛り上がりが最高潮に達したのは、シリーズ初戦の二回だろう。先頭のカイル・シーガーの打球が、右中間を襲う。打ったシーガーが「抜けた」と思った会心の一撃だった。
■ライナー性の打球、一直線に背走し好捕
しかしながら、定位置からスタートを切ったイチローが、落下地点に向かって一直線に背走。最後はジャンプしながら体をひねって左腕を伸ばすと、白球をグラブに収めている。
着地地点はフェンスの数メートル前。ライナー性の打球でもあったため、他の選手ならあそこまで追えず、また、フェンスが迫っていることを感じれば、あきらめてフェンスに打球が当たるのを待って、二塁打で止めることを考えるはず。しかし、イチローには絶対的距離感があり、セーフコフィールドを体で覚えていた。
「今の現役選手では、僕が一番(セーフコフィールドのライトを)知っていると思うから」。おそらく、現役というより歴代で、だろう。
11日、午後7時24分、ヤンキース一回表の攻撃が終わると、三塁側のダッグアウトから姿を見せたイチローが、ライトに向かって走ってきた。
他の選手のようにゆっくりではない。かなりのスピードだ。距離が近く…続き (6/16)
おそらく今年初めてではなかったか。ヤンキースのジョー・ジラルディ監督が、イチローの起用法に関して一つの指針を示したのは。
5月24日にシカゴで行われたホワイトソックス戦の試合前だった。開幕からライト…続き (6/2)
13日、久々にシアトルで行われたマリナーズの取材に足を運んだ。
「しばらく見なかったやつがここにいるなあ」
試合前、クラブハウスへ行くと、外野手のマイケル・ソーンダースに捕まり、「アレッ? 今日はヤ…続き (5/19)
| レッドソックス | 2(終了)3 | インディアンス |
|---|---|---|
| ホワイトソックス | 3(終了)6 | ロイヤルズ |
| ブレーブス | 7(終了)3 | エンゼルス |
| タイガース | 4(終了)3 | ツインズ |
| アスレチックス | 10(終了)5 | ヤンキース |
| アストロズ | 3(終了)4 | レイズ |
| マリナーズ | 5(終了)1 | レンジャーズ |
| オリオールズ | 2(終了)5 | ブルージェイズ |
| ドジャース | 3(終了)6 | ダイヤモンドバックス |
| フィリーズ | 0(終了)3 | カブス |
| ブルワーズ | 4(終了)13 | レッズ |
| ジャイアンツ | 7(終了)8 | ロッキーズ |
| マーリンズ | 3(終了)2 | パイレーツ |
| メッツ | 3(終了)1 | パドレス |
| カージナルス | 5(終了)2 | ナショナルズ |
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