先生もいない、教科書もない、すべて無料のエンジニア養成スクール『Ecole 42』
- June 16th, 2014
- Posted in 役立つ資料 . 教育系サービス
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ベンチャービートで紹介されていたフランスのエンジニア養成スクールが気になりますね・・・。大きな特徴は3つ。
- 完全無料。
- 入るのめっちゃむずい。
- 教科書なし。先生いない。
以下、もちょっと詳しく。
■ 完全無料なのはなぜ?
ITで成功した人が始めたようですね。「ビジネスモデルは考えていない」とのこと。「たくさん儲けたし、この国にとって良いことをしたい」というのがモチベーションのようです。
資本金はすべて寄付、そして「生徒の中から成功者が出れば、学校に寄付してくれるんじゃない?」という余裕のスタンスです。エンジニアのこれからの可能性を考えるとそれもまたアリなのかもしれません。
■ 入るのめっちゃむずい
無料なので当然応募者殺到。7万人がオンラインでテストを受けて、2万人が合格。さらにそこから選抜があって4,000名がパリに招かれて4週間で100時間勉強させられます。その後、合格した890名が本プログラムに入れるとのこと。
■ 教科書ないって?何するの?
年間800名〜1000名をパリの中心地にあるビルに通わせ、Macと大きなシネマディスプレイを与えます。
そしてわりと難し目の課題を2〜5名のチームに与え(レイトレーシングのプログラム作れ、とか)、出来たら合格、90%できていても100%じゃなかったら不合格、といった感じ。課題はイントラネットで次々に出されます。
また、すべてのコードはGithubで共有され、生徒同士で教えあうことが推奨されています(プログラミングの教科書ってネットでしょ?というスタンスですね)。
いつまで続くか、もしくはうまくいくかはわかりませんが、この仕組みによって「自ら問題解決できるエンジニアが年間1000名ほど生まれてくる」というのはすごいことじゃないでしょうかね・・・。日本も負けていられないのでは・・・。
以下、個人的な雑感。
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MOOCsも話題ですが、しばらく運用してみて「やっぱり成績がひどい」ということがわかってきたみたいですね。結局「人が介さないとモチベーションは保てない」という結論になりつつあるような。そしてCoursera、Udacity、EdXのうち、Udacityは早々にピボット、エンジニア向けの職業訓練校に。
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アメリカのプログラミング教育ビジネスを見ていると、今流行りまくっているのは「Dev Camp」。「8週間でiPhoneアプリ作れます」的なスクールというか職業訓練校がどんどん出てきていますね。昔は「3年勤めたらMBA!」という人が多かったのですが、「MBA持っていてもTech企業で役に立たない」ということがだんだんわかってきて「MBAの2年間で2000万円使うより、8週間で100万使ったほうがいい」という選択をする人が多くなってきたような。。
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ただ、そうした「Dev Camp」も「8週間で使える人材になるの?」的な問題や、そもそもスケーラブルじゃない、という課題もあって、試行錯誤中。またビジネスモデルも受講者からがっつりとるのか、そのあとの人材紹介で儲けるのか、という2つの方向性があって、どちらも一長一短のようです。
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ひるがえってオンラインでの教育はTreehouse、Lynda.com、Udemy、Codeschoolあたりが有名です(Khan Academy、Codecademyもありますが無料なのでどうなんでしょ)。こちらは場所などのコストもかからないし、スケールしやすいというメリットがあります。ただ、単価が低いので市場としてはこじんまりとしがち、という側面がありますな・・・。
ドットインストールでもこのあたりの方向性には日々悩んでいますが、海外の動向を見据えつつ、いろいろ試行錯誤していきたいと思います・・・。なかなかに難しい。
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