2012年12月12日に福岡証券取引所Q-Boardに上場した(株)グランディーズ(本社:大分市、亀井浩社長)。完全に規格化した戸建て住宅「FORLUX(フォレクス)」で好調な販売を続ける同社社長の亀井浩氏に話を聞いた。
――上場に至るまでの経緯をお話ください。
亀井 中堅ゼネコンで経験を積んだ後、自分で会社を作りたいという思いから独立の道を選びました。グランディーズという社名は、「Grand:立派な」と「Estate:不動産」を足した造語です。他にもESには(Employee Satisfaction):「従業員満足」の意味もあり、従業員が楽しく働く会社が一番と、2006年11月に設立しました。当初は売上のほとんどを投資用マンション、分譲マンションが占めていました。
しかし、リーマン・ショックで金融機関からの融資がストップし、短期で資金回収できる戸建事業にシフトせざるを得ませんでした。最初から株式上場は視野に入れており、本当はもう少し早く上場したかったのが本音ですが、リーマン・ショックによって足止めされてしまいました。このたび福岡証券取引所へ上場を果たし、やっとスタートラインに立ったという思いです。
――御社は規格住宅を格安で販売していますね。その秘訣は何でしょうか。
亀井 販売開始直後は戸建賃貸をベースにしていました。この売れ行きがよかったのが、戸建が事業の柱になった要因のひとつです。現在は建売戸建「FORLUX(フォレクス)」の販売が好調ですが、その要因はおっしゃるとおり価格です。販売したすべての戸建住宅が、税込2,000万円以下、過去1棟も2,000万円超えていないのです。この低価格を達成できた理由は、土地の仕入れ方を変え、完全に規格化した建物にしたからです。格安の土地が見つかった場合も、その規格が入らない場合は仕入れません。メインターゲットは年収300万円世帯です。地方都市の平均年収である300万円というボリュームゾーンを抑えることで、販売戸数を増やせているといえます。また、年収300万円でも無理せず買えるところが、社会貢献につながっていると思っています。
――今後の展開はどのようにお考えでしょうか。
亀井 今回上場した福証は最初の足掛かりです。まずは九州で展開し、今後は地価が大分に近く、人口40~50万人の地域をベースに市場開拓していく予定です。パワービルダーの進出していない地域がやはり魅力的です。そういった地域に年間40~50棟の販売をしていきたいと考えています。
――ありがとうございました。