9回表2死二塁、村田(左奥)に適時打を打たれた則本=コボスタ宮城で(市川和宏撮影)
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◇巨人3−2楽天
『ダル超え』が手元から滑り落ちた。1シーズンでの交流戦4完封。その目前で、楽天・則本が力尽きた。虎の子の1点を守り切れず、9回に痛恨の3失点。最下位に沈むイヌワシ軍団は逆転負けを喫した。
過程は関係ない。欲しいのは結果だけだった。「どうであれ、負けは負けです。粘れなかったことは事実なので」。8回まで1安打投球。再三の好機を逃していた打線はボウカーの値千金弾で1点を奪った。そのリードを一瞬で消した悔しさがにじみ出た。
ただ、勝利への道筋は作った。足りなかったのは、打線の援護。3度の満塁機を逃すなど残塁の山を築いた。「向こうにはタイムリーが出た。ウチは本塁打だけ。11安打で2点は少し寂しい」。佐藤監督代行は表情を曇らせた。
則本は11年のダルビッシュに並ぶ交流戦3完封を挙げ、パのエースの1人としての地位を自ら築き上げてきた。しかし、野球は1人では勝てない。大黒柱で喫した1敗は、チームに暗い影を落としそうだ。 (井上学)
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