JAグループ福島の農産物直売所の2013年度の売上高は69億4500万円と、初めて東日本大震災、東京電力福島第1原子力発電所事故前(10年度)の水準を上回ったことが分かった。「(放射性物質検査など)安全性確保対策を消費者に伝え、信頼の回復に努めてきた」(JA伊達みらい)など、各店舗の地道な取り組みが実を結んだ。

JA福島ファーマーズ・マーケット連絡協議会が県内16JAとJA全農福島の50店舗の売上高をまとめた。
10年度の売上高は、65億1800万円(49店舗)。その後に起きた東日本大震災や原子力発電所事故による県産農産物への「風評被害」の影響で、11年度は53億1100万円(81%)にまで落ち込んだ。各店とも、地元農産物の販売PRなどを通じて、消費者に安全・安心を訴えてきた。その成果もあり、13年度は、「原発事故後に訪れなくなった子ども連れの母親も見られるようになった」(JA伊達みらい)、「観光バスが入るようになった」(JA新ふくしま)など、震災や原発事故前のにぎわいを取り戻した直売所も相次いだ。
ただ、店舗ごとに見ると、震災前の水準を上回ったのは9店舗。多くの店舗は7~9割の回復にとどまる。「いったんやめた出荷者で再開しない人が100人(3割)もいる」(JAしらかわ)など、販売数量が事故後回復できなかったり、「毎年少しずつ回復しているものの、山菜を販売できない」(JAすかがわ岩瀬)など、出荷制限の影響も続いた。
同協議会は今年度、県が4月に開設した東京・日本橋ふくしま館「MIDETTE」で、移動直売所を開催したり、県内のラジオ局を使って各直売所を紹介したりしながら、福島ブランドのさらなる信頼回復に取り組む。