再逮捕:リサイクル店夫婦、知人殺害容疑で 福岡・筑後
毎日新聞 2014年06月16日 10時54分(最終更新 06月16日 12時45分)
他人のキャッシングカードを使って現金を引き出したとして窃盗容疑で逮捕、起訴された福岡県筑後市のリサイクル店経営、中尾伸也被告(47)と妻の知佐被告(45)が、従業員の男性1人を殺害していたとして、県警は16日、殺人容疑で再逮捕した。2人の周辺では複数の関係者が行方不明になっており、県警はその関連についても調べを進める方針。県警は同日、筑後署に捜査本部を設置した。
◇実家の庭から元従業員の骨片発見
逮捕容疑は、共謀して2004年5月上旬ごろから、筑後市内の両容疑者の自宅アパートで、リサイクル店従業員の日高崇(たかし)さん(当時22歳)=同県みやま市瀬高町=の顔や頭を殴ったり、背中を蹴ったりして、同年6月下旬ごろ、外傷性ショック死させ殺害したとしている。県警は、両容疑者の認否を明らかにしていない。
県警などによると、伸也容疑者の供述に基づき、筑後市にある伸也容疑者の実家の庭を捜索し、骨片の一部を発見。DNA型鑑定により、日高さんのものと判明した。当時、日高さんは両容疑者とアパートで同居し住み込みで働いていた。
日高さんについては、04年7月に家族から筑後署に捜索願が出ており、その後も3回、相談が寄せられていた。記者会見した清水幸喜・県警捜査1課長は「当時、取り得る対応はなされていた」と述べた。他の行方不明者については「関連性も含め今後の捜査で明らかにしたい」と話した。
県警は07年7月〜昨年11月に知人のキャッシングカードで現金計53万円を引き出したとして今年4月11日に2人を窃盗容疑で逮捕(同罪で起訴)。さらに、11年12月〜今年3月、別の知人のカードで現金計100万円を盗んだとして再逮捕したが、不起訴処分となっていた。
両容疑者の周辺ではリサイクルショップの元従業員らが複数不明になっているとの情報があり県警が捜査。伸也容疑者が不明者が「死亡している」という趣旨の供述をしたことから、5月13日以降、22日連続で伸也容疑者の実家の庭と近くの川を捜索。採取した土や残留物を鑑定していた。【吉川雄策、宗岡敬介、黒澤敬太郎】
◇不明少なくとも親族など4人
毎日新聞の取材では、中尾伸也被告(47)、妻知佐(45)両被告の周辺で行方不明になっているのは、店の元従業員や妻の親族ら少なくとも4人いる。