子育てをすることで自分がどのように育てられたのか,またどのように育ててもらったのかを改めて考えるきっかけになりますよね。時にそれは自分が封印してきた子供時代からの思いを爆発されることにもなります。以下の記事では子育てを通して親との関係が変わった人の体験が載っていました。
子育てを経験することで当時の母の心境を推し量れるようになり、理不尽だと感じていた言動を理解できるようになるケースも。だが一方で、忘れていたはずの怒りや反感が復活した、という娘からの相談も多いという。
娘に怒りをぶつけられたら、母はまず「気付かなくてごめんね」と受け止める。母の謝罪は娘にとって大きな救いになる。
距離をとるのも一つの方法だ。ただ「いつでも手助けするよ」というメッセージだけは、発信し続けた方がいい。状況が許すなら、例えば「妹が生まれて余裕がなかった。お姉さんであるあなたにつらく当たってしまった」などと当時の事情を丁寧に説明する。
「完璧ではない人間同士。上下でなく対等な、新しい関係を築いてほしい」と内田さんは話す。
母と娘、同志でありライバル 「孫育て」きっかけに変化:朝日新聞デジタル
私の場合は子供ができたことで親とコミュニケーションをとる機会が増えましたが,未だに親に育てられたというよりも祖母に育てられたという思いが強いですし,子育ての参考にしようと,母親に私の子供のころを聞いても「どうだったかな…」と全く覚えていないようです。私の母親は末っ子で周りのお姉さんが出産の際にもいろいろ手伝ってくれたようで,新生児をお風呂に入れたことがないそうです。3人産んでるんですよ,信じられません。だから孫も風呂に入れることができません。
そんな状況なのでコミュニケーションの機会は増えましたが,関係が改善されたのかというそんなことはなく,現状維持でしょうか。ただ今回の朝日の記事は母と娘の関係ですので,私のことよりも妻のことを書かないといけないでしょう。
妻は母との関係が悪くなった方です。妻の母はシングルマザーで家にいなかったので,妻の面倒は祖母が見ていたようです。しかし,その祖母との同居は妻が3歳ぐらいから始めたようで,妻にとっては自分のおばあちゃんという感覚がなく,どこかよそよそしい感じだったようです。結局それは祖母が亡くなるまで変わりませんでした。逆に妹は産まれたときから祖母に育てられたので,祖母が母親だと思っていたようです。そのため,母親が自分に関わってくることの方に違和感があったようです。
そんな子供時代でしたので,私の妻はとにかく寂しい,お母さんと一緒にいたいというのがありまして,出産する前はお母さんとの関係は良好でしたし,母親に依存しているという感じもありました。ところが出産,育児をしている中でその関係が変わっていったのです。
その原因は母親の言葉を聞いても「あなたやってないでしょ」と思ってしまうことだそうです。いろいろ言われてもそこに結局行きついてします。ほとんど育児は祖母がやっていたので育児の苦労は分からないというのが根底にあるのでしょう。
妻の母は休みの日には妻と遊んでいたと思っているようですが,本人の感じ方は全然違いました。お母さんとは全遊んでいないと妻は思っています。だから今まで近かった母親との距離を適度にとるという方法を最近は取っています。もちろん手伝ってもらうことに感謝する気持ちはあるのですが,あまり頼みたくないという気持ちが強いのです。
「子どもの時にあれだけ母親がいなくてさびしい。一緒にいたい」と思っていた感情は何だったのか。結局,母親と一緒にいても当時のさびしい気持ちが解消されるわけではありません。逆に今,自分が子育てをすることで母への思いは怒りへ変わったのかもしれません。こういうのは言葉で解決できるものではないのでしょうか。妻の母はとても忙しかったので当時の記憶もあいまいですし,妻の心にはほとんど響きません。さらに妻は女2人姉妹ですが,妻は男の子を育てている。それも母親の言葉が響かない原因かもしれません。
こうした中で第2子が今年中に生まれる予定です。また母と娘の関係は変化するのかもしれません。それがいい方向に行けばいいんですけどね。なかなか難しいものですね。