「セキュリティーソフトを入れてあげる」。インターネットで知り合ったばかりの男の申し出に安易に応じたことが、1週間に渡る恐怖の始まりだった。指示されるまま自分のパソコン(PC)に「遠隔操作ソフト」をインストールし、パスワードも教えた女性。女性のPCを遠隔操作で“支配下”に置くと男は態度を一変させた。「(個人情報を)中国に送ったる。何人も自殺に追い込んできたんや」「カメラの前で服を脱げ」。東京からネットを通じ女性に複数回に渡って裸になるよう強要した男が使ったのは、ウイルスでもなんでもない、市販の遠隔操作ソフトだった。
ネット上のやり取りだけで、京都市内の女性(22)を脅し、数回にわたって裸にさせたとして、京都府警が5月、強要の疑いで逮捕したのは東京都葛飾区亀有の無職、佐藤陽太容疑者(34)だった。
交流サイト「Skypeちゃんねる」で知り合った女性のPCを遠隔操作し、抜き出した個人情報を流出させると脅していた。
府警はその後、「セキュリティーソフトを入れてあげる」と嘘をついて遠隔操作ソフトをダウンロードさせ、パスワードを聞き出し遠隔操作可能な状態にしたとして、不正指令電磁的記録供用容疑でも再逮捕した。
2人が「Skypeちゃんねる」で知り合ったのは4月19日だった。ネット電話「スカイプ」でチャットをしながら、佐藤容疑者はその日のうちに「セキュリティーソフトを入れてあげる」と持ちかけ、女性は言われるがまま、PCに遠隔操作ソフトをダウンロードし、パスワードも教えた。
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