ブレーキ・バイ・ワイヤ・システム: 詳細解説 1
Technical analysis - brake-by-wire systems explained
ブレーキ・バイ・ワイヤとは
F1マシンは数年前から電子的「フライ・バイ・ワイヤ」スロットル技術を使用してきたが、今シーズン初めて電子制御のリア・ブレーキ・システムを採用した。しかしブレーキ・バイ・ワイヤとはどういうものであり、どのように働くのだろう? その技術を解説する…
1990年代初期にアンチロック・ブレーキング・システム(ABS)が禁止されて以来、過去20年間のF1ブレーキ・システムは非常に効率的であるとはいえ、比較的シンプルな形状だった。ブレーキ・システムは規約が規定するように、前輪と後輪用に別々のマスター・シリンダーがあるツイン回路油圧システムから構成される。そのため、一方の回路が完全に故障しても、ふたつめの回路を通じてブレーキングが可能となる。前輪用および後輪用回路に伝わる制動力は、コックピットの制御によって「偏らせる」ことができるので、ドライバーはブレーキング中にマシンを安定させることができる。
2009年、(ブレーキング中に無駄になるエネルギーを電力に変換する)KERSの導入によって、ドライバーにとって事態がやや複雑になった。なぜなら、このシステムはトランスミッションに連結され、後車軸に対する逆向きのトルクが、マシンのリアのブレーキ・バランスを変えたからだ。だが、回収するエネルギーの最大量は80bhpに制限されていたので、ドライバーはさほど大きな問題なしに対応することができた。
しかし、2014年は約160bhpが回収可能になる強力なエネルギー回生システム(ERS)が導入され、後車軸にかかる逆向きのトルクがかなり大きくなり、その結果チームは電子制御のブレーキ・バイ・ワイヤのリア・ブレーキ・システムを搭載し、ドライバーがブレーキング中にそこそこのレベルのバランスと安定性を確保できるようになっている。
もちろん、ブレーキ・バイ・ワイヤ・システムは理論的には比較的単純であるが、実際はかなり複雑である。要するに、このシステムは、ERSによって回収されるエネルギー量にかかわらず、ドライバーが望むリア・ブレーキ圧を受け取るよう設計されているのだ。
part 2
-Source: The Official Formula 1 Website
markzu at 08:52│Comments(0)│F1技術解説
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