ホーム同胞生活

奈良「ウリノレフェスタ」、「コグマ会」が主催

弾ける子どもたちの笑顔、民族文化とのふれあいで楽しい一日

奈良同胞子どもたちのためのイベント「みんな集まれ!!『ウリノレフェスタ』」が11日、奈良朝鮮学園の講堂で行われた。奈良県の同胞女性たちの子育てサークル「コグマ会」が中心となって企画し、県青商会と朝青本部の協力のもとで行われたフェスタには、子ども30人を含む71人が参加。大阪朝鮮歌舞団による歌や踊りに合わせて子どもたちも大いに楽しんでいた。

団結した力を「体験」

大阪朝鮮歌舞団と一緒に踊る子どもたち

フェスタを主催した「コグマ会」は昨年10月に結成10周年を迎えた。「今までは細々と活動してきた」と金恵淑会長は振り返る。

そんな「コグマ会」はそれまでの活動スタイルを変え、今回の「ウリノレフェスタ」や「オリニ夏まつり」「オリニ秋フェスタ」など多種多様なイベントを積極的に企画してきた。

今年度の大きな3大行事はいずれも奈良朝鮮学園で行われた。休校中の同校だが、同胞たちの学校美化活動などにより、子どもや親がいつでも安心してイベントを楽しめる環境が保たれている。

この日のフェスタでは、東日本大震災1周年に際し黙とうが捧げられた。

金恵淑会長の司会でフェスタが始まると、大阪朝鮮歌舞団が子ども向けのコンサートを披露した。チョゴリを着て緊張した様子の子どもたちだったが、サルやウサギの着ぐるみを着た団員と一緒に踊りだす子どもたちも表れ、雰囲気が盛り上がってきた。

記念撮影の後、演劇「大きなかぶ」が始まった。「コグマ会」の李純花副会長が童話「大きなかぶ」を朗読し、音楽に合わせてハラボジ、ハルモニに扮した総連本部委員長、県青商会会長、そして犬や猫のお面をかぶった「コグマ会」のオモニたちがかぶを抜こうとすると、子どもたちも一緒に舞台に上がり、みんなでかぶを引っ張った。みんなの団結した力でかぶが抜かれると、会場は大いに沸いた。

最後は、大阪朝鮮歌舞団が朝鮮の歌と踊り、童謡メドレーを披露。みんなで「統一列車」作って場内を駆け回った。子どもたちの表情は、満面の笑みに包まれていた。

民族教育守る一心で

みんなで力を合わせて「統一列車」を走らせる子ども
たち

奈良朝鮮初級学校が休校して4年。朝鮮学校に通う生徒は減り、多くの子どもたちが日本学校に通っている。奈良同胞たちは子どもたちが今後、どのような形で同胞や民族とのつながりを保っていけるのかを真剣に考えている。

地域の民族教育の存続が憂慮されるなか、フェスタが開かれた意義は大きい。

親たちは、「普段、子どもたちが触れる機会がない、朝鮮の歌や踊りに触れさせることができてよかった」と喜んでいた。

終了後、父母や関係者を含めた座談会が行われた。「学校という素晴らしい場がこれほど綺麗な形で残っているのだから、これを有効に活用しよう」「民族という共通項を通じて子どもたちのために何かできないだろうか。舞踊教室や民族楽器教室のようなこともできるのでは」など、さまざまな意見が出た。

金恵淑会長は、「これからも子どもたちが楽しめるように、積極的に取り組んで生きたい」と語った。

こうした言葉に代表されるように、子どもたちの未来を育む民族教育に対する奈良同胞たちの思いは日々大きくなっている。【奈良支局】

(  2012-03-23 14:09:38 )