二酸化炭素濃度:日本南方海上と上空初の400ppm超え

毎日新聞 2014年05月26日 20時32分

 気象庁は26日、日本の南方の海上と上空で、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が初めて400ppmを超えたと発表した。陸上でも昨年の年間平均濃度は過去最高を更新した。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が昨秋示したシナリオでは、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えるには、今世紀末のCO2濃度の目標を世界平均で420ppmとしている。気象庁の小出寛・全球大気監視調整官は「ここ10年間の濃度上昇は1年に約2ppmで、それ以前の10年間の1.75ppmを上回り、温暖化が加速している。北半球全体で400ppmを超えつつあり、警戒が必要だ」と話している。

 海上での観測は今年1〜2月、海洋気象観測船で愛知県沖から日本領海を越えた赤道付近までの太平洋約4000キロで実施。各地点の平均値が400.6ppmと、1984年の観測開始以来初めて400ppmを超えた。上空では4月、神奈川県綾瀬市−東京都・南鳥島間の上空6キロ付近を航空機で観測。同様に平均値は402.7ppmと2011年の観測開始以来、最高となった。

 また、国内3地点で観測している陸上での昨年1年間の平均濃度は、岩手県大船渡市399.6ppm▽東京都・南鳥島397.5ppm▽沖縄県・与那国島399.5ppmだった。1カ月の平均値では12年に大船渡市で初めて400ppmを超えており、今年4月の3地点の平均濃度も402.7〜407ppmとなった。【千葉紀和】

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