アンネの日記:ネットがつなぐ「志」 図書館に本寄贈へ

毎日新聞 2014年06月13日 15時00分(最終更新 06月13日 16時36分)

「アンネの日記」寄贈への寄付額達成を知らせるクラウドファンディング運営会社サイトの画面
「アンネの日記」寄贈への寄付額達成を知らせるクラウドファンディング運営会社サイトの画面

 ◇小口出資募るクラウドファンディング 62万円集まる 

 「アンネの日記」などの本が破られる事件が起きた東京都内の図書館を支援しようと、大学院生らがインターネット上で小口出資を募る「クラウドファンディング(CF)」を使って呼びかけたところ、目標額を上回る62万円が集まった。出資金で本を買い、被害に遭った図書館に寄贈する。CFを企画した筑波大(茨城県)の大学院生、赤山みほさん(29)は「ネットで広がった支援の輪に感動した」と喜んでいる。

 赤山さんの専攻は図書館情報学。昨年以降、都内の少なくとも38の図書館で「アンネの日記」など計300冊以上が破られる事件が起きた。図書館を標的にした事件に心を痛めた赤山さんは、大学院の仲間らと相談し、CFで出資を募ることにした。4月17日から始め、期限の今月5日までに目標額53万円を超える62万円に達した。

 「私が行く図書館でも本が傷つけられた」「本は豊かな想像力へのヒントをくれる」。ネット上には出資者から多くの書き込みが寄せられた。出資者には謝礼としてブックカバーなどが贈られる。赤山さんは「支援してもらった人に感謝したい。今後、本を寄贈する状況をネット上でお知らせしたい」と話している。

 CFはネットを通じ、事業などへの出資や寄付を呼びかける仕組み。最近では中小企業の事業でもCFの活用が広がっている。【小山由宇】

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