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2014-06-13

REDGARDENノット!〜ソウルイーターノット10


ソウルイーターノットのコンテにまさか松尾衡さん!

サンライズ作品では時々各話コンテでお見かけしますが、

まさかノットにくるとは!

ボンズ作品ゴシック以来かな?


そして、

松尾衡百合アメリカ、死、歌とくれば、

連想されるのは、やはり

RED GARDEN



思い返してみれば、松尾さんとソウルイーターノット

ひいては橋本昌和監督方向性が一致している。


というわけで、故・今敏監督とのRED GARDENについての対談を振り返ってみる。


今 敏監督× 松尾監督 対談 その6

「『RED GARDEN』の演出に見る、演出家松尾 衡らしさ」

http://web.archive.org/web/20071114075753/http://clappa.jp/Special/79/6/

――『RED GARDEN』で松尾監督らしい演出というと、どういうところになるのでしょうか?

今 敏(以下、今) それはね、もっと女の子が好きな監督演出すると萌えにいきかねないんです。でも、松尾さんの場合萌えはないなって(笑)

私と共通する部分なんだけど、女の子を可愛く描こうとすることと、可愛い女の子感情移入していくことは同じなんだけど、可愛い女の子を観察することは違うんです。

松尾さんの場合演出女の子との間に一枚フィルターを置いて、距離感最初から最後まで保っているんですよ。


今敏松尾演出の特徴としている

この「演出女の子との間に一枚フィルターを置いて、距離感最初から最後まで保っている」

というのはノット10話でも全編通してあった感覚


特にそれが顕著だったのが

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この食卓のシーン。

カメラツグミに寄って、感情移入させるのか思いきや、

突き放すような「おいしいです」の暗い棒読み

続くアーニャカット

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カット尻でアーニャが「カメラの方向を向く」事で、

視聴者に「第三者」の感覚を与えて感情移入を拒否する。

松尾演出距離感が如実に現れている。


女の子同士のベタベタ

松尾

たとえばケイトポーラのように女の子同士がベタベタしているのって、単に「女の子同士って普段ベタベタしているよね」って思うからなんです。自分としては、あれが気持ち悪いなと思っている。でも、女の子同士は気付いていないから、「あの二人はレズなんですか?」と質問されたら、「だって、君らいつもベタベタしているでしょ」と答える。それだけのことなんですけどね。


百合的な表現に意外なこだわりを見せる松尾監督

女の子同士のベタベタを「気持ち悪い」と思いながらも

現実女の子ベタベタしているから、そういう表現をする。


ノット10話でもその「気持ち悪いと思いながら表現するベタベタ」が見られる。

例えば序盤の

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こういった描写

百合ヲタ的には

「せっかく百合百合してるのに、なんでカメラを寄せないの;;;;」

みたいな感じだけど、

松尾さんは断じてクール



○マイナス1のカット

http://web.archive.org/web/20071114190355/http://clappa.jp/Special/79/5/

今 カット割は、基本的にマイナス1にしておけば、次が見たくなるように続いていくんですよ。わざと、カットのなかで起承転結をつけないで、起承転で切るとか。もしくは、承転しか描かない。

そういうマイナスを作っておけば、次が気になるから自然と引っ張られるんです。でも、大抵の人は「はい、このカット終わり」みたいに、カットで完結させてしまう。

マイナス1のカット割もノット10話の多くカットに言えるが、

わかりやすいのは例えばこれ

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煙が凄くいい仕事をしていて、

コレが誰なのか、そしてどうなっているかが、

煙が邪魔してひと目では分からないようになっている。

つまり、このカットでは煙が「マイナス1」の役割を担っているわけだ。

(ちなみに、ソウルイーター本編のシドの「眉間に自由の女神が刺さり死亡」

という設定を表現しているカットでもある。)





とこんな感じで、

やっぱり、松尾さんにはまたREDGARDENみたいな作品を作ってほしいなぁ

と思ったのでした。



おまけ

○歌

TARITARI・クレヨンしんちゃんと歌と多用して、

ノットでもやはり歌を出してきた橋本昌和監督


松尾さんも”歌の人”だった

今敏「実は『RED GARDEN』はオンエアのときに、何回か見ていたんですよ。今回、第1話さよなら少女たち」から見始めて、ビックリしたのはキャラクターが歌うシーンです。新しいなって思いましたね。一瞬、これは何が始まったんだろうって。


オンエアを見ていたら、DVDCMで“松尾衡作詞”ってテロップが入っていたんだけど、その意味が、今回第1話から見始めてやっと分かりました。これが元ネタだったんだって(笑)。いやあ、二重に度肝を抜かれました。」


今敏「腰が抜けるぐらい、度肝を抜かれました。あれはビックりする。急に歌いだすんだものしかも、同じ歌を違うキャラが、繋げて歌っていくでしょう? 」


あの今敏の度肝を抜いた歌の演出

そういう意味では、松尾さんが橋本監督作品に参加するのも必然なのかもしれない。

橋本監督にも、さらなる歌演出で、

あの世今敏の度肝を抜いてほしい。

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