「ネット機器に公共放送受信料は不要」、スウェーデン最高行政裁
2014年06月14日 18:30 発信地:ストックホルム/スウェーデン
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×スウェーデン・ストックホルム(Stockholm)で、同国の音楽ストリーミングサービス「Spotify」をスマートフォン(多機能携帯電話)のiPhoneで利用する女性(2013年3月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/JONATHAN NACKSTRAND
【6月14日 AFP】スウェーデンの最高行政裁判所は13日、パソコンやタブレット端末、携帯電話などインターネットに接続する機器は、公共放送の受信料徴収の対象にはならないとの判決を下した。
同国で公共放送の受信料徴収を担う「Radiotjaenst」は昨年2月、公共放送はインターネットでも視聴できるとして、1年で2076クローナ(約3万2000円)の受信料の徴収を、テレビは持っていないがインターネット接続機器は持っている世帯にも拡大した。
これを受けてテレビを持っていない1人の個人が行政裁判所(三審制)に提訴。裁判は最高行政裁まで進み今回の判決が下された。
スウェーデンの法律では、テレビ放送を受信する装置の所有者は全員、その装置が放送の受信以外に使用できるものであっても、受信料を支払わなければならないとされていた。
しかし最高行政裁は、「インターネット接続機能があるコンピューターはテレビ放送の受信を意図したものではない」として、これまでの法解釈は視聴者にとって厳しすぎるとの判断を示した。
この判決を受け、Radiotjaenstはウェブサイトで、インターネット接続機器に対する受信料徴収を即時中止すると発表したが、以前の判決では受信料の徴収は有効とされていたため、今回の判決が下された13日までに徴収した受信料の返金はしないとしている。
Radiotjaenstが2013年に徴収した受信料は71億クローナ(約1090億円)に上り、同国の公共テレビ・ラジオの運営資金として用いられた。(c)AFP