家族や恋愛、お金や仕事など、日常における悩みは多いもの。ここでは、心理学者で大学教員の平松隆円さんがマイナビニュースのQ&Aコーナーに寄せられた悩みにお答えします。
今回のお悩みタイトルは、「彼女が腐女子であることが判明。しかも読む側じゃなくて描く側です」です。
■質問
彼女が腐女子であることが判明しました。しかも読む側じゃなくて描く側です。ひょんなことから彼女の部屋で銀魂のエロ同人誌を発見。表紙の絵と、手書きの文字で製作者側であることを悟ってしまいました…。
その場に彼女もいたので、実は腐女子であるとの告白を受けました。僕としては別にショックではなく、実は僕も腐男子なので、むしろ同じ趣味を共有できるのかもしれないと内心ワクワクしていたのですが…。
話をしていく中で、攻めと受けの趣味が彼女と違うことがわかりました。僕はオレ様攻めが好きなのですが、彼女はオレ様受けが好きみたいで…。
なんだかケンカになりそうで怖いです。やっぱりお互いの趣味の領域には踏み込みたくないかと…。
僕は彼女に腐男子であることを告白しようか、今とても悩んでいます。共有できないのなら告白すべきではないのか…。それとも恥ずかしそうに勇気をふるって告白してくれた彼女に応え、腐男子であることをこちらも開示すべきなのか…。悩んでます。
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■回答
趣味は趣味、お互い違っていてもいいじゃない!
表紙の絵と、手書きの文字で製作者であることがわかるなんて、すごい。最近は、LINEなどスマホでメッセージを送ったりすることがほとんどで、文字を書くっていうことがありませんよね。ボクも、この相談の原稿をパソコンで書いていますが、1週間のうち字を書くことはほとんどありません。唯一書くとすれば、支払いのときのカードのサインくらいでしょうか。不参から、彼女さんが筆まめで、絵を描くことが多かったんでしょう。気づいた、あなたは立派だと思います。
さて、ご相談内容は「腐男子であることをこちらも開示すべきなのか」ということですね。ただ、心配事として「攻めと受けの趣味が彼女と違うこと」で、ケンカにならないかということえですが、大丈夫でしょう。趣味や好みが違うからといって、ケンカをしていたら、恋人同士に限らず人間関係のすべてが、いつもケンカばっかりになってしまいますよ。
でも、あなたは趣味や好みが違うからといって、親やきょうだい、ともだちとそれで言い争ったりはしないですよね。まして、殴り合いのケンカなんてしたことはないと思います。むかし、ボクの学校の先生が「恋人と卵焼きが甘いかしょっぱいかでケンカになった」とはなしていましたが、ボクの30数年の人生のなかで卵焼きの味付けでケンカをした経験なんて一度もありません。
たぶんあなただって、ないでしょう? 趣味は趣味、好みは好みとして、私たちは相手を尊重して生活しています。もちろん、だれかに趣味や好みを押しつけられたら抵抗し、ケンカになることもあるでしょう。ですが、一方的に押しつけるようなことがなければ、お互いにそれぞれの趣味や好みを尊重しさえすれば、なにも問題はないんです。
そして、それとはべつに「腐男子であることをこちらも開示すべきなのか」ということを考えればいいと思います。問題が「攻めと受けの趣味が彼女と違うこと」だけだとするならば、彼女さんにあなたが腐男子であることを話してあげたらどうでしょう。いままで知らなかったお互いのことをもっと知ることができて、二人の関係が新しい展開をむかえるかも。
(イラスト: のでこ)
○著者プロフィール
平松隆円…化粧心理学者 / 大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響をよんだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。
(平松隆円)