３８歳ハドソンが防御率メジャー１位　イチローの好敵手　引退危機から復活

　３８歳にして円熟の域に達している。ティム・ハドソン投手は１２日、ナ東地区首位のナショナルズを相手に７イニングを６安打１失点（自責０）。防御率１・８１は両リーグトップに浮上した。７勝目（２敗）も手にした右腕は、球団公式サイトによれば「だましだましの投球だよ」と謙遜した。

　確かに、１５０キロを軽く超えた往年の高速シンカーは、現在は９０マイル（約１４５キロ）前後だが、スライダーなども混ぜて四隅を突く丁寧さが光る。昨年７月は、一塁ベースカバーの際に打者走者に右足首を踏まれて骨折。残りシーズンを棒に振り現役引退もささやかれたが、見事に復活した。

　かつてイチローが「チームの勝敗とは別の次元で、僕の技術を上げてくれる。技術だけでは対応できない志の大きさのようなものがある」と評した好敵手は、いまだに「超」が付く一線級だ。