法人税:「数年で20%台」決着 財源は先送り
毎日新聞 2014年06月13日 12時08分(最終更新 06月13日 12時40分)
麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相は13日午前、財務省で法人税の実効税率(東京都で35.64%)の引き下げを巡り会談した。税率については来年度から数年で20%台への引き下げを目指す方針で一致。必要となる代替財源の在り方は、結論を年末の税制改正議論に先送りすることで事実上、決着した。同日夕の経済財政諮問会議で安倍晋三首相が法人税改革の方向性を表明し、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」の素案に盛り込む。
会談後に行われた閣議後会見で、麻生氏は「来年度から(減税を)やることには(甘利氏と)それほど差はない。(財源の書きぶりは)最終的には総理が決めて判断される」と説明。甘利氏は「昨日、野田毅自民党税制調査会長と基本合意に至り、麻生財務相も好意的に受け止めていただいている」と語り、法人税改革で大筋合意しているとの認識を示した。
法人実効税率の引き下げは、安倍首相の肝いりで議論がスタート。甘利氏が大幅減税の旗振り役となる一方、財政規律を重視する自民党税制調査会や財務省は税収減による財政悪化に懸念を示し、税率の下げ幅や実施時期、代替財源の在り方を巡って鋭く対立してきた。
最終的には、首相の意向を踏まえ自民党税調側も来年度からの減税を受け入れ、「20%台を目指す」ことで折り合った。骨太の方針には「恒久財源の確保」との文言を入れる一方、甘利氏が主張する景気回復に伴う税収上ぶれ分(実際の税収が予算上の税収見込み額を上回った部分)の活用も否定せず、財源論は「痛み分け」の内容になる。【横田愛、小倉祥徳】