小川君との対談の反響を今更見てます。いや、ちょっと忙しくて…。
「就職、ほんとうに残念です」 会社に入るなんてマジでつまらない! イケダハヤト×小川未来【前編】 | 小川未来『就活事変』 | 現代ビジネス [講談社]
「安定した環境でチャレンジしたい」?
北条さんの記事がすごい面白いのでご紹介。
リクルートマネジメントソリューションズが13年入社の新入社員に対して行った調査*1によると、「年功序列派」が4割、「成果主義派」が6割。2010年の調査と比べ、成果主義派が約5ポイント増加しているんですね。一方で7割の新人が「終身雇用」を望んでいる。「安定した環境のもとでチャレンジしたい」との意識が見え隠れします。
リクルートへの就職を選んだ小川さんにも、こういう傾向がピッタリ当てはまるぞ!と言うのではないです。でも、ある程度の失敗が許される環境下で思いっきりチャレンジしてみたい、実力を試したいというのは、学生らしい欲求として理解できますよね。
そうそう!多分、小川君はその意識がありますね。チャレンジ志向と安定志向が同居している気持ち悪さというか。
「安定した環境でチャレンジしたい」なんてことを言っているから、つまらないし、二流になってしまうわけです。そういうことを考えている時点で、凡人的で、コモディティ的なのです。ぬるい。ぬるすぎる。
「安定した環境でチャレンジしたい」という人の最大の問題は、必死さが漂わないことです。本人もぬるくなりがちですし、なにより周囲が「まぁ、しょせんあいつは『安定した環境からのチャレンジ』だからな…」という冷めた目で見つめます。
たとえば小川君はリクルートに行きますが、彼が社内で新規事業を立ち上げたとして、なんというか、そんなにワクワクしないんですよね。所詮社内の新規事業ですからねぇ。子会社の社長になった!とかもいまいちです。100%子会社の社長かぁ、という感じです。
人は誰しも、必死な人を応援したくなるものです。背水の陣で臨むバカを見たとき、「こいつは何とか助けてやらないとヤバい」と思うものです。
みなさんの周りにもいませんか、そんな「助けてやりたくなるバカな人」。ぼくの周りにはそんな人ばかりです。だから「安定した環境でチャレンジする」なんてぬるいこと言っている人には、ワクワクしないのです。
もっとも、チャレンジする上では精神的な安定もたしかに大切です。ぼく自身は生活コストを落とした上で、300万円の貯金をもって社会人3年目に独立しました。貯金が切れたらゲームオーバー、という感じで臨みました。これはこれで、ぬるかったと思います。
飛び出して3年ほど、なんとかそれなりに安定した環境を手にすることができました。だからぼくは、また高知県に飛び出したわけです。また安定してきたら、別のチャレンジをして不安定な状態に飛び込みます。
「安定した環境でチャレンジしたい」というのは、順番をはき違えています。チャレンジをした結果として、安定した環境が得られるのです。そして、その環境がぬるく感じるようになったら、また不安定な環境に自分を追いつめるのです。起業家精神のある人生というのは、その繰り返しだと思います。
まぁ、小川君はきっとすぐ会社を辞めるでしょうから、そこからが楽しみですね。新卒リクルートでできるチャレンジなんてたかが知れていると思うので、「独立のための資金と人脈を獲得するために、とりあえず就職する」とかが合理的な考え方でしょうね
「就職、ほんとうに残念です」 会社に入るなんてマジでつまらない! イケダハヤト×小川未来【前編】 | 小川未来『就活事変』 | 現代ビジネス [講談社]
お知らせコーナー
「なぜ僕は『炎上』を恐れないのか(光文社新書)」好評発売中!
「仏教は宗教ではない」好評発売中!
祝3刷!「武器としての書く技術」