ここに注目! 「集団的自衛権・与党協議ヤマ場へ」2014年06月13日 (金) 

安達 宜正  解説委員

 集団的自衛権の行使をめぐって、慎重姿勢を崩していなかった公明党執行部は極めて限定する形で、容認する方向で党内調整に入る方針を固めました。
安達宜正解説委員です。

アナ)自民党の高村副総裁と公明党の北側副代表、力比べですね。

安達)交渉担当者の2人、党のメンツもかかっていますからね。今週初め、安倍総理が今国会中の閣議決定を指示した後、双方の動きが活発になっています。安倍さん、当初は期限を区切らずに議論すると言っていましたから、攻勢に出たという感じです。
 
アナ)安倍総理は合意を急いでいるのでしょうか?

安達)急いでいるというよりも、ある程度、期限を決めなければまとまらないと考えているようです。それだけ、公明党の慎重姿勢が強いからです。政府関係者に聞くと、年末の日米ガイドラインの見直しに間に合わせるなら、8月頃までの合意で十分としています。しかし、期限を区切らずに議論すれば公明党のペースになりかねないと。安倍さん、きのうも「決めるべき時に決めるのが、責任与党のあり方だ」と、公明党をけん制しました。
 
アナ)公明党はどう受け止めているのでしょうか。

安達)ここまで安倍さんがここまで強硬だとは思っていなかったのではないでしょうか。このままでは連立維持が難しくなると・・。そこで出てきたのが、行使の範囲を極めて限定するという妥協案です。
 
アナ)妥協せざるを得ないと。

安達)公明党幹部は集団的自衛権の行使容認は認められないとする一方、この問題で連立を離脱することは考えていないとしています。だから、安倍さんや自民党が閣議決定を行う決断をすれば有効な手がないのも事実です。野党の一部からは公明党の側から連立を離脱しなくても、安倍さんが連立解消を言い出すのではないかと期待も出ていましたから。
 
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アナ)合意はできるのでしょうか

安達)そこはまだわかりません。最終的には党首会談。安倍さんと公明党・山口代表の会談での決着になると思います。公明党、さらには支援団体の創価学会には根強い慎重意見もあるようですし、自民党側にも公明党案では集団的自衛権行使の範囲が狭すぎるという指摘もありますので、最終局面にはトップの判断が必要になります。歴代内閣が憲法上、認められないとしてきた集団的自衛権の行使。この解釈を変えるかかどうか、与党協議はヤマ場を迎えることになります。